食品添加物検査担当日記⑦

　今回は「発色剤」についてのお話です。発色剤は、食品の色が変わるのを防ぐ食品添加物です。ハムやベーコンなどの食肉加工品は時間が経つと酸化して黒ずんでしまいますが、発色剤を使うことで色を保つことができます。

　代表的な発色剤は「亜硝酸ナトリウム」です。食品中に含まれるヘモグロビンやミオグロビンと結合して、色の劣化を防いでくれます。また、食中毒の原因となるボツリヌス菌の増殖を抑えてくれるため、保存料としての効果もあります。ただし、私たち消費者が食品の鮮度を見た目から判断できるよう、発色剤を肉や魚などの生鮮食品に使用することは日本では認められていません。

　ウインナーやベーコンを、お弁当のおかずや朝食として習慣的に食べているご家庭も多いと思います。加工食品に亜硝酸ナトリウムを添加する場合には、安全とされる量が使用基準として決められています。また、亜硝酸ナトリウムなどの発色剤を使用していないものには無塩せき（発色剤不使用）の表示があり、私たち消費者が選択することができます。写真のエフコープPB商品は、無塩せきタイプのハムです。

（T.M）