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2025年11月20日

「平和×音楽 被爆の証言とレコードからたどる平和の旅」を開催しました

開催日/2025年10月31日

  • 目標16:平和と公正をすべての人に
10月31日に、アクロス福岡円形ホールにて「平和×音楽 被爆の証言とレコードからたどる平和の旅」を開催し、58名が参加しました。

第1部「軍歌や戦時中の流行歌から考える平和」

第1部は「軍歌や戦時中の流行歌から考える平和」をテーマに、蓄音機や、当時のレコード収集が趣味のスタッフが戦時歌謡ガイドとして講演しました。
「軍歌や戦時歌謡は、当時の国民が普段の生活の中で歌っていた今でいう“J-POP”。国民の気持ちを一つにして戦争を進める“軍需品”でもあった」として、当時の時代背景や歌詞の意味について解説。戦時歌謡の中には新聞社が国民である読者に歌詞を公募して、大ヒットした曲もあり口ぐさむ参加者もいらっしゃいました。
軍歌や流行歌の歌詞の意味を学び平和について思いを馳せながら、実際に当時使用されていた蓄音機とレコードで当時の音色を楽しみました。

第2部「被爆の証言から考える平和」

第2部は「被爆の証言から考える平和」をテーマに、広島で4歳の時に被爆した伊藤靖夫さんの被爆体験について、エフコープテーマクラブたんぽぽのわたげの朗読で聞き、伊藤さんご本人の被爆証言もお聞きしました。

エフコープテーマクラブたんぽぽのわたげは、エフコープの被爆体験証言集「つたえてください あしたへ……」の証言から、朗読シナリオを作成・朗読する活動を行っています。
「犠牲になった多くの人を決して忘れてはならない」という思いが語りにこもり、会場にしっとりと響き渡りました。

伊藤靖夫さんは、4歳10カ月の時に爆心地から約1.7kmの自宅で被爆し重傷を負いましたが、母と陸軍少尉の助けで命を救われました。父は日本赤十字病院で被爆者治療に尽力。伊藤さん自身も後遺症に苦しみながら学業を続け、社会人として歩まれました。
2022年にエフコープの広報誌で証言集の存在を知り、「原爆の記憶は、母に繰り返し聞いたことです。自分自身の記憶ではないので証言して良いのだろうかという思いがありました。」とのことでしたが、「今しか話せない」と証言を決意。また、2024年のエフコープの平和の旅で、現地で活躍する若者の姿に心を揺さぶられ、朗読シナリオ化をきっかけに「質問に答える形なら」と思い、今回初めて人前で語られました。
語りの中では、お母さまとの思い出や、ご経験のほか、今でもいつ病気が発症するかわからない恐怖を抱えているなどのお話もあり、原爆の脅威は今なお続いていることを実感しました。

音楽や朗読、証言者の話を直接聞くことで、その時代をより近くに感じることができ、一人ひとりの平和へのかかわり方を考える時間となりました。

参加者からは、以下のような声が寄せられました。

  • 蓄音機はテレビのドラマ等で聞いたことはありましたが、生の蓄音機の音を聴いたのは初めてで、感動しました。一気にタイムスリップした感じがしました。
  • 証言者の伊藤さんは、自分では体験した記憶が全くないにもかかわらず、お母様から聞いたお話を鮮明に記憶されていて、辛い体験をなさったことが分かりました。白血球の数値が高くて、生死をさまよう体験をされ、辛い思いをされてきたにもかかわらず、お元気そうな姿が印象的でした。
  • たんぽぽのわたげさんによる朗読は、吸い込まれるように聞き入ってました。語り継ぎたい思いが伝わってきました。
  • 平和と音楽という、今までにない視点で平和について思いを馳せる時間となり参加できて良かったです。
  • 軍歌戦時歌謡を聞いて平和について考えるが良かった。レコードを久しぶりに聴き父を思い出しました。父は幼年兵として海軍に徴兵されていたと、軍歌を聴きながら涙ぐんでいました。つらかったのでしょう。子どものころだったので聞けませんでした。

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