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2019年11月13日
産直「安納芋」(JA種子屋久)の生産地を訪問しました
組合員理事 谷口純子
11月5日~6日、組合員理事2人、スタッフ2人で、生協版適正農業規範に沿った2次点検と合わせて圃場見学や生産者との交流を目的にJA種子屋久を訪問しました。
福岡から5時間、種子島の海と空
ご対応いただいたJA種子屋久の職員
JA種子屋久は平成18年4月に3つのJA(JA西之表市、JA鹿児島くまげ、JA屋久島)が合併して誕生。ここでは温暖な亜熱帯性の気候条件を生かした「安納芋」や「たんかん」「ポンカン」をはじめ、サトウキビや早期米、馬鈴薯などが生産されています。今回はそのなかで産直品としてカタログでおなじみの「安納いも」を生産、出荷されている西之表支所を訪問し営農販売課の方々より、芋の生育から収穫までのお話をお聞きしました。
安納芋の生育過程は、バイオ苗購入→移植→育苗→採苗→(殺菌・カット)→移植(増殖)などの増殖工程をガラスハウスまたはビニールハウス内で繰り返され、5~8月にかけて種イモとして生産者の畑で定植されます。そして9月~12月上旬に収穫される流れとなっており、2月~8月にかけての苗の生育過程が一番大変で厳しいと言われていました。
また、収穫される安納芋の中でも「安納紅」という品種が95%を占めており、オレンジ色の果肉、加熱すると濃い黄色になり、食味は粘りと甘みが強く、食物繊維やカロチンなどの成分が多く含まれているのが特徴です。そのほか、「安納こがね」「種子島ゴールド」の品種が栽培されています。
なお、さつまいもは基本的に収穫後しばらく貯蔵してから出荷されますが、貯蔵されることでさらに糖度が高くなり甘みがアップされるそうです。食し方としては、天ぷらや素揚げが一番多くとてもおいしいとのことで、地元ならではの食し方だと思いました。
意見交流の様子
生協版適正農業規範 二次点検の様子
事務所での2次点検終了後、集出荷貯蔵施設を訪問。収穫の最盛期とあり施設の中には各生産者から集まった安納芋のコンテナ箱が山積みされており、その一方では段ボール箱の仕分け作業が行われていました。コンテナには少し傷ついたり、変形したりした芋の入った箱もあり、このような規格外品は廃棄処分されているそうです。味は変わらないので消費者の意識改善をといつも思うところです。
その後、収穫前の圃場を見せていただきました。圃場は緑色と紫色の葉が一面に覆われ農産物ならではの畑は原風景そのもので、癒される光景でもありました。生産者の方からその葉の下の畑を少し掘って生育中の芋を見せていただきましたが、この地方独特の火山灰や粘土により乾燥している土は黒褐色でこの地方独特のミネラル豊富で糖度があり、それが「安納芋」のおいしさの所以と言えます。
今回のようにJA種子屋久に組合員が訪問するのは初めてと言われていましたが、スタッフによる 点検だけではなく、やはり需要と供給の関係または生産者と消費者との関係からも顔の見える関係づくりが大切だということを実感しました。とはいえ、生産者が全般的に抱える後継者不足もやはりここでも同様のようで、自分の代で終わる生産者も増えてきているとのことでとても残念に思います。私たちは消費者として国内産を買い支えることは勿論ですが、これからの農産物を守る術も真剣に考えていかなければと思いました。
ともあれ、訪問日はお天気にも恵まれ、JAのみなさまにはお忙しい中対応していただいたことにお礼申し上げます。まだ「安納芋」のおいしさを知らない方もいらっしゃるとのことでしたので、しっかりとお伝えし利用につなげたいと思います。
生産者(谷部会長)の畑にて
収穫前の圃場にて
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