【解説】
特定保健用食品は実験データに基づいて審査を受け、健康づくりのための食習慣を改善するきっかけとして「○○が気になる方に・・・」という効能効果を表示することを認可された食品です。通称「トクホ」「特保」と呼ばれます。
【解説】
トクホとは、もともと医薬品ほどの効能がない食品機能を厚生労働省が保証する制度でした。しかし、2009年9月に、製造所固有記号の届出などとともに、消費者庁の食品表示課に所管が変更されました。現在トクホの取得に関する届出は消費者庁にする必要があります。
【解説】
栄養機能食品として機能表示ができる栄養成分
ミネラル | カルシウム、亜鉛、銅、マグネシウム、鉄 |
ビタミン | ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、葉酸 |
国の制度で機能表示が許可されているのが保健健康食品で、その中に、特定保健用食品(トクホ)と栄養機能食品があります。サプリメントには、機能表示が認められていません。
【解説】
(2)は特別用途マーク
「乳児用調製粉乳」や「病者用食品」など特別の用途を表示して販売されている食品に付けられます。食品ごとに、消費者庁が許可(又は承認)しています。
(3)はEマーク
「地域の原材料の良さを活かして」作られた、「地産地消タイプ」の特産品であることを意味しています。都道府県は、それぞれに品質や表示について認証の基準を定め、生産者や製造業者から申請のあった地域特産品に対して適合するものにマークの使用を認めています。3.のEの意味はExcellent Quality (優れた品質)・Exact Expression(正確な表示)・Harmony with Ecology(地域の環境と調和)です。また食品の「品」を図案化し、「良い品(イイシナ)」であること表しています。
【解説】
トクホのマークがついている商品は医薬品ではなく、日頃の健康維持を補助する商品です。健康を維持するためにもっとも基本となるのが「食生活」です。 よって、日ごろからバランスのとれた食事を心がけることが大切です。
【解説】
トクホは特定の保健機能の有効性や安全性などに関する科学的根拠について国の審査を受け、消費者庁長官から許可を与えられた食品に付けることができます。身体の生理学的機能などに影響を与える保健機能成分(を含んでおり、「体脂肪がつきにくい」「お腹の調子を整える」「虫歯の原因になりにくい」など特定の保健の目的が期待できる旨の表示ができますが、「高血圧症(高血圧)を改善する」「解毒作用・脂質代謝促進効果がある」等、効能を断定するような表現は認められていません。
【解説】
健康食品は病気の治療には使えませんし、病気の人に向けたものでもありません。それどころか、下記のようなリスクがあります。
【解説】
原料成分の有効性が確認されていても、製品になる段階で様々な影響を受けますので、原料成分の効果と、最終製品として売られるものの効果が同じとは限りません。
【解説】
健康食品の成分によっては、薬の効果が弱くなったり、副作用が強まったりすることがありますし、そのような事例が多数報告されています。どうしても薬と健康食品を同時に使うのであれば、医師・薬剤師に相談してから使用しましょう。
【解説】
食品でも過剰摂取すれば有害作用が生じることもあります。通常の食生活で栄養素を過剰摂取することはありませんが、錠剤・カプセル状の健康食品、いわゆるサプリメントを使用する場合には注意が必要です。サプリメントは薬でなく、食品と言う安心感から、摂取方法を特に気にせず飲まれる方も少なくありません。サプリメントは特定の有効成分が凝縮された物でもあるので、量の問題はしっかりと考えなくてはいけません。
【解説】
摂るべき根拠が明らかでない成分は、摂る必要はありません。サプリメントの安全性が検討されても、そのほとんどの対象者は多くの場合、健康な成人を対象とされています。そのため健康に良いからと、凝縮された錠剤やカプセルタイプのサプリメントの使用の際には特に注意が必要です。高齢者の方は、日頃から薬を飲まれている方も多いと思いますので、サプリメントを摂取することで、現在飲んでいる薬の摂取を妨げたり、又は副作用を強くしたりする場合もあります。医師に相談することをお勧めします。自分に何が不足しているのかを知ることも大切です。
【解説】
インターネット販売サイトでは数多くの子ども用製品が販売され、その数は数百種に及びます。しかし、これらの製品が子どもにとって安全で、必要なものなのか、きちんと科学的な根拠があるのか、確認できません。そのほとんどの製品が、国が安全性・有効性を科学的に評価した保健機能食品ではないからです。「今の子どもはストレスにさらされているから」とか、「今の野菜は栄養が少ないから」などと言ってサプリメントの必要性が強調されています。しかし、その根拠はほとんどなく、単なるイメージに過ぎないことがかなり多いというのが実情です。毎年、国が行っている栄養調査からも、今の子ども達に、早急な対策が必要な栄養素不足はみられないと言えます。
毎日、3食の食事 (+適切な間食) をきちんと食べていれば、ほとんどの子どもには特別なサプリメントは必要ないと考えられます。むしろ安易にサプリメントに頼ることは、子どもが食に対する興味・関心を持つことを妨げ、将来、健全な食生活を送る上での障害になるおそれがあります。栄養は食品から摂りましょう。
【解説】
天然由来品が、合成品に比べて、品質・安全性が上位だという証拠はありません。「天然」「自然」の言葉が入っているとイメージだけで「安全」を連想してしまいがちですが、特に天然、自然由来の成分を使った製品は、アレルギーを起こすことがありますので気をつけましょう。
本クイズは、2014年9月に開催された、エフコープ食の安全学習会で「健康食品で健康になれるって、ホント?」をテーマに独立行政法人 国立健康・栄養研究所情報センター長の梅垣敬三さんよりご講演いただいた内容を参考に作成しました。
健康食品についての詳しい情報は、ホームページ国立健康・栄養研究所情報センター「健康食品」の安全性・有効性情報(https://hfnet.nih.go.jp/)をご覧ください。