第30集 つたえてください あしたへ・・・・・・
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ガラスを抜ぬいたところ、血ちがバァーと吹ふき出でたので、足あのガラスは抜ぬかんほうがいいと、突つきした。そして、私わをおんぶし、西にわ川さんと母はは父ちが働はく日にき赤病び院に向むかって歩あき始はめたのです。「お水みをください。お水みをください」ない」と止とめていました。橋はの袂たにはたくさんの人ひが倒たれていました。て移いう動する。その動どさ作を幾いど度となく繰くり返かして、三つぐらいの川かを渡わったそうです。⑥⑤しうえくどわたしとおたきしはきたたわるじんとんなんたしおしまとけえおとずずわとおけるわとはるちじでしのばはしたんでしで朗 読 者 朗 読 者 別の人の声らだ私わしは体かのあちこちにガラスが突つき刺ささり、一番ばひどいのは腕うと足あでした。西にわ川さんが私わの腕うの刺ささったままでした。頭あからも血ちが出でていて、母はは私わの頭あ、腕う、足あを布ぬで縛しって血ちど止めをしまたしんしちゅ途とう中、全ぜん身火やど傷の人ひ。顔かの皮かがぶら下さがり、手ての皮かもむけて歩あいている人ひ。叫さび声ごを上あげている人ひ。そして、用よ水路に頭かを突つっ込こんで死しんでいる人ひもいました。っせょういん日にき赤病び院へは橋はを渡わらないと行いけないんですが、兵へい隊さんが橋はの手てえ前で「焼やけているから通とれっせょういん日にき赤病び院には行いかれない。私わたち三人には、西にわ川さんの里さ、山やち口県けの柳やい井へ行いこうと鉄てう道の線せろ路沿ぞいに歩あき始はめました。ちゅっきょ途とう中、鉄てう橋がありました。鉄てう橋の枕まぎ木は焼やけ落おちて、ぶすぶす焦こげています。下しは川かです。しか西にわ川さんは持もっていた軍ぐう刀の先さで枕まぎ木を叩たいて、大だ丈夫かを確たかめて先さに渡わり、母はの手てを引ひいんたちゅ途とう中、軍ぐい隊のテントで血ちど止めの薬くを手てと足あに塗ぬってもらいました。たましかうすいろもとたしくらっきょんとくらすりたしたまっせたらいたしかいじょうぶしかょういんまぐたしつど75

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