第30集 つたえてください あしたへ・・・・・・
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たことを覚おえています。「助たけてくれ、助たけて!助たけてくれー」りません。二番ばめ目の兄あは独どつ立して、広ひま島市しに住すんでいました。八月が六むか日、夕ゆく食時じに家かく族は私わがまだ帰きく宅していないことに気きづきました。まさか一いつ発の爆ばん弾が広ひま島全ぜし市を破はい壊するとは考かえられず、私わが被ひく爆したとは思おってもいなかったようです。ました。トラックの荷にい台に乗のせられ、自じく宅に着ついたのは原げく爆が落おとされてから三みか日後ごのことでした。道どろ路のアスファルトが爆ばん弾の熱ねで溶とけていて、歩あくのが難むしくなりました。ちば道みた端に落おちている下げた駄を履はきましたが、その下げた駄がアスファルトにくっつき、歩あくのが大たん変だってもちゅ途とう中、崩くれた建たの物の下しから、人ひの声こを聞きいた気きがします。うしなんじょう⑤んたはゅんすすすんにねえおたずとえうつるぼるんたえただっこつけたゆやかろにれたちぞいつたかんばもにんんばかにぞんにん家かく族の中なで被ひく爆したのは二番ばめ目の兄あ、五番ばめ目の兄あ、そして私わの三人にです。くりうしょくだっぱんぱ目めもおかしくなりましたが、それでも少すしずつ癒いえてきました。感か情を失ったように漂っていた私わは、何なも感かじずにどうやって姉あの家いに着ついたのか、記きく憶があ私わしの母はは、戦せじ時中ちうの『産うめよ 私わしは十番ばめ目で末すっ子こでした。私わしを心しい配した父ちと、呉くで働はいていた一番ばえ上の兄あが広ひま島に向むかい、落おち合あって私わを見みつけてくれ私わしは眉まげ毛も焼やけ焦こげ、四〇度どを超こす熱ねや火やど傷に悩なまされました。赤あい色いが茶ちろ色に見みえたりと、くだたしただよ増ふやせよ』の標ひご語に従ってか、十人にの子こどもを出しん産していました。ろしたしろしたらずかょうしたがんがんうろしんばゅっさたしたしたしゃいいへ別の人の声朗 読 者 66

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