第30集 つたえてください あしたへ・・・・・・
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遺いい体はなかなか焼やけず、辺ありは暗くくなってくる。私わは心この中なで叫さびました。私わしのそばに、いつの間まにか姉あが来きて手てを合あわせ、姉あの涙なに、私わも泣なきました。父ちの死しを見みた時とは泣なくに泣なけず、涙なはなかったのにですね。くあおとう翌よさ朝、末すの弟との骨ほや灰はをみんな壺つに入いれて、父ち、母はの遺いつ骨と一いょ緒にしました。ゅうせんんの天てう皇陛へか下のラジオ放ほう送も聞ききませんでした。ただ、大おな人が大おい勢集あまっていて、この時とが、終しん戦うそょうり私わしは姉あに言いったんですよ。たしんし姉あは私わを安あん心させるように笑わってくれて、その笑えお顔がとても淋さしそうにみえました。「早はく、焼やけてくれ。どうか早はく」 私わしは棒ぼを握にり、突つき刺さし掻かき混まぜました。すると塊りが破やれてやっと焼やき尽つくすことができました。原げく爆を恨うみ弟とに侘わびながら、灰はにしました。八月が十五日に終し戦、しかし、戦せう争が終おわったことを私わは知しりませんでした。の放ほう送の日ひだったんです。その後ご、まわりの大おな人たちからアメリカ軍ぐが上じく陸してくるという話はを聞きかされました。「敵てが上じく陸してきたら、何なをされるかわからんぞ。女お、子こどもはすぐ逃にげるようにせんと」「姉ねさんも早はく逃にげて」「逃にげてもどうにもならないしね、その時とはその時とよ」みだんそうそ⑫らねがびえやたねききとんにきちついとつきぼいえねちはこちきらたたかけねたねらいやぎうたやぶたしころおとうんばみだたしょうりんなたしっしおぜなしかたまゅうせ朗 読 者 大人の声和良の声姉の声60

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