第30集 つたえてください あしたへ・・・・・・
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そのうち壊これた家いえ々からメラメラと火ひの手てが近ちづいて来きます。急いいで父ちを引ひき出だそうと思おいながら、とうとう私わたちは父ちを見みす捨てて、裏うま山に逃にげたんです。いつの間まにか、姉あは病びき気で亡なくなった母はのお骨こを胸むに抱だいていました。やがて曇くり空ぞに真まっ赤かな太たう陽がはっきり見みえ、そして黒くい雨あが降ふりました。あたりは見みた渡す限かりの焼やけ野のら原。山やに逃のれ、やっと水みを貰もって、私わは腹はいっぱい水みを飲のみました。ビンをもらい、水みを持もって帰かると、姉あも弟とたちもあっという間まに飲のみ干ほしてしまいました。三人には少々ケガをして参まっていました。広ひま島に特とゅ殊爆ばん弾が落おとされたことは知しっとりましたが、だったんでしょう。えいたししょうしょうくだ長な崎さも爆ばん弾が落おとされるとは夢ゆにも思おわんかったです。ょうしょく朝ち食を食たべただけで、お腹なが空すいてきてですね。私わは山やの畑はにあったさつま芋いを掘ほってきて、生なのまま食たべました。がさ夜よになって、長なき崎の街まを燃もやす火ひは一いう層鮮あやかに見みえ、これらの火ひが亡なくなった人ひへの送おり火びくじ翌よつ日、一ひり人で山やを下おりると道みは焼やけ、熱あくて家いには近ちづけません。ょうぼうだん三みか日目めにやっと消し防団の人ひから握にり飯めをもらいました。父ちの遺いい体を探さす気きく力もなく、がけ下しのいよっそらやおとうろしくしくだたしたしたけりょょう朗 読 者 ⑦⑥⑤しぎっとちがたたちまとえつかざるちくとまかまもきがめもらもろめねえずいんがはぎわまらずらずねつはちねかわちそも朗 読 者 朗 読 者 57

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