第30集 つたえてください あしたへ・・・・・・
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八月が九こか日午ごん前十一時じ前ま、私わは出でかけようとして姉あに声こをかけたんです。「姉ねさん、昼ひまでには帰かって来くるけんね」『ピカッ』と光ひった瞬しん間、背せか中に熱あさを覚おえ、意いき識を失ういました。しばらくして気きがつくと、目めの前まは真まっ暗く。家いは潰つされ、下しじ敷きになっていました。たちを思おい出だしました。それまでは自じん分の事こだけで精せ一杯だったんです。した。くし爆ばん心地ちから一・三キロのところです。たし家かく族は父ち、姉あ、私わ、弟二ふり人の五人にで、七月がに母はを病びき気で亡なくしたばかりでした。このいどこ姉あは台だろ所に、父ちは家いの奥おに、弟二ふり人は離はれにいたようでした。くおんか玄げん関を出でた時と、爆ばん音を聞きき、すぐ家いの中なに飛とび込こんだんです。家いの梁はが敷しい居で止とまり、土どま間に空くん間を作つってくれていて、私わはそのすき間まにおりました。何なとか必ひし死で抜ぬけ出だすと、外そは土つむ煙り、町ちい内の家いはみんな潰つされ、聞きこえてきた悲ひい鳴で父ちや姉あ姉あが真まっ黒くい顔かをして、木きのそばに座すりこんでいるのが見みえ、弟二ふり人も私わたちを探さしておりまがたちゅ父ちの姿すを夢むう中で探さしましたけど、父ちは家いの梁はの下しじ敷きになって、すでに亡なくなっていました。おとうとたしおとうとゅんかうかちけいいっぱいょうしなょうなたしおとうとたし和良の声④③きえかなかつぼしえちくねなたるえええぜつねえんたねちぞつはえらえぶたもとぶりえちちがたわおねろがたとっんえぶちめねくきえり朗 読 者 朗 読 者 56

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