エフコープ生活協同組合理事長堤 新吾『つたえてくださいあしたへ……』第30集発刊によせて被爆体験証言集『つたえてください核兵器の悲惨さと平和の尊さを未来へ伝えるため、エフコープの平和活動の一環として歩みを始め、今年、節目となる第30集を迎えることができました。貴重な証言をしてくださった被爆者のみなさま、福岡県原爆被害者団体協議会(福岡県被団協)や各原爆被害者の会のみなさま、組合員、スタッフ、そしてこれまで関わってくださったすべての関係者のみなさまに心より感謝申し上げます。昨年、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が、長年にわたる核兵器廃絶への尽力が国際的に高く評価され、ノーベル平和賞を受賞されました。被爆者一人ひとりが語り継いできた被爆の実相と、核兵器廃絶への訴えが、世界の意識を変えてきた結果であり、心より敬意を表します。被団協のみなさまには、エフコープの聞き書き活動開始当初より、証言者の紹介や聞き書きを進めるにあたってのアドバイス、さらには平和活動全体にわたるご支援をいただき、ともに歩みを進めてまいりました。この受賞は、ともに平和運動を進めてきた一員として誇りであり、大変うれしく思います。終戦から八〇年、戦争で核兵器が使用されることはありませんでした。しかし、世界情勢は混迷を極め、依然として核兵器の開発が進み、戦争で核兵器の使用をほのめかすなど、私たちはこれまでにない脅威にさらされています。あしたへ……』は、戦後五〇年を翌年に控えた一九九四年、2
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