第30集 つたえてください あしたへ・・・・・・
55/91

後あになって聞きいた話はです。なしたしこのたし父ちは、私わよりもっと爆ばん心地ちに近ちい浦うみ上の職しば場で亡なくなりました。いわんば姉あは、幸さいにも原げく爆を直ちつ接受うけずにケガもなく、自じん分の力ちで三十キロを歩あいて田いか舎まで帰かっていちょじゅうしょう姉あより重症だった私わは、口くが焼やけただれていて、水みを飲のもうにも飲のめなかったのが幸さいしたの今い思おうと、我わながらあの時とよく地じん面に伏ふせたなぁ、真まつ夏に五いか日間かも水みを飲のまずによく耐たえたなぁんば原げく爆にあいながら、数かず々の小ちさな奇きき跡・幸こん運に助たけられました。私わは、家かく族の看かご護と周しい囲の人ひんそ今いはどこかで戦せう争や災さい害が起おこると、日に本中、世せ界中からの支しん援の手てが差さし伸のべられる世よの中なうしな家かく族や街まを失った長なき崎の人ひたちは、自じん分の手てで、焼やけ野のら原となった街まの戦せご後復ふう興に臨のまなけれその時と、まだ生せし死の境さをさまよっていましたが、心この中なには安やらぎと喜よびの気きも持ちが広ひがっていきました。八月が九こか日の朝あ、私わとともに長なき崎市しい内に働はきに出でていた父ちと姉あのことです。きました。しかし、途とう中で汚おん染された水みを飲のんだり、爆ばん心地ちを歩あいたせいか、たちまち髪かが抜ぬけ体たう調が悪わくなって、一週し間くらいで息いを引ひき取とりました。かもしれません。と、少すしだけ自じん分を褒ほめたくもなる気きも持ちです。たちの助たけにより、何なとか回かく復し立たち直なりました。です。しかし、当とじ時はありませんでした。ばなりませんでした。⑫⑪るきぶちぞとぞはちんぶこんすおうまえかいせぞすんとめれもきまつなんずねちずせずるみねなぶるえちかなさつちねときいすかろ朗 読 者 朗 読 者 かいがさくしらかょくせちゅゅうかんたしずかいふいががさころたらょくからくしううほんじゅうかいじゅうろこたしいわゅうっこ51

元のページ  ../index.html#55

このブックを見る