自じん分で気きづいていなかったんです。壕ごの中なに入はり込こみました。うくうしゅ防ぼう空壕ごとは空くう襲から身みを守まるため、地じん面を掘ほって作つった避ひん難場ばょ所です。つぜがかれえ⑧⑦たれおかしさなおぞはなかくらときさつうちちいっすこかかうれしれねこふきおれもうなめくしいうかぶるわっけえかたしうきゅうせい燃もえ残のっていた胸むの名なだ札を見みて、彼かは私わだと気きづいてくれたのでした。たし彼かはすぐに私わを寝ねかせ、力ち 尽きた私わは意いき識を失ってしまいました。せきてきうきゅうせい同ど級生は、奇き跡的に燃もえ残のっていたポケットの中なの手てう帳のメモを見みて、近ちくの私わの身みち内に連れく絡んせたしうく叔おじ父のところの防ぼう空壕ごに寝ねかされて五いか日目めの朝あ、私わは飲のむことも食たべることもできませんが、たしがた私わしの姿すを見みて、彼からは驚おいたように言いいました。フラフラしながら歩あいていると、周まりから「敵てき機襲しい来!」の叫さび声ごが聞きこえ、私わは近ちくの防ぼう空すると突とん然、中なから誰だかの声こ。「永なま間!やられたな!」それは、私わを知しる同ど級生でした。その時との私わの顔かは、誰だかわからないほど焼やけただれていたのに、を取とってくれたのです。その後ご、親しき戚の叔おじ父が助たけに来きてくれました。こうして私わは死しの淵ふから生いきる道みへの第だ一いぽ歩を踏ふみ出だすことができたのです。まだ息いはありました。その後ご、約や三十キロ離はれた母はや家かく族が疎そい開していた外そめ海という村むから、親しき戚の救き援隊がリヤカーで私わを迎むえに来きてくれました。大おやけどをして皮ひふ膚が腐くってウジ虫むが湧わき、ひどい臭にいを放はつからつたしどろゅうらたしたしうしなちょたしゅうえんたいんせうくたしんらたし同級生の声朗 読 者 朗 読 者 49
元のページ ../index.html#53