第29集 つたえてください あしたへ・・・・・・
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鳴なき滝の自じく宅へは、おばあちゃんをリヤカーに乗のせて、私わは歩あいて帰かってきたと思おうんですよ。二歳さえ上の姉あは裸はし足で逃にげ駄たを履はいて帰かってきました。本もら原を山やご越えして、西にま山を通とり鳴なき滝に帰かりました。帰かる時と街まな並みはなく、山やだけ。両りき脇にうっそうと木きが立たっていて、人ひとすれ違ちうこともなかったです。休やみ休やみ、「ここは西にま山恐おろしかったんでね、必ひし死でみんな歩あいたと思おいます。その日ひのことは頭あから離はれませんもんね、いくつになっても。原げく爆が落おちた日ひ、母は、叔おば母、姉あ(長ちょ女)、妹とは、鳴なき滝の家い一歩ぽ踏ふみ込こんでいたら落おちとったろうね」と言いって、帰かってきてから話はしていました。とったから、迎むえにきた姉あの靴くた下を履はかせてもらい、私わは下げには三み組川内郷の家いはなかったです。「ここやったのにね」って言いいながら帰かってきました。何なもかんも焼やけてしまって、のところやね」って言いいながら歩あきました。何なんしろ、もうにいて無ぶじ事でした。母はが「ガラスが何ない枚か割われて、爆ばう風で一メートルくらい後うろに飛とんだ」って言いってましたけど、とくに大おきな被ひい害はなかったです。姉あは、「ただ白※いのがフワフるたしやとはたまんばしは はねえがおねとけおあかもきやと るんなはんじっそるもくもるいがとすすまちえんわちうえごかみく おまええきつしねな というくんえもずねかもえるねだとぶいき た ろきえごえなえれいうつしるたょうわょうじいもうんまたしたし年との十二月がに亡なくなりました。しや争そは終おわったからね。これは十二時じのサイレンだから隠かれんるたくふしろワって下おりてきたらバーンって破はつ裂した」って言いっていました。お風ふろ呂を沸わかしてくれていました。お風ふろ呂に入はった時とに、おばあちゃんの太ふもものところが真まっ赤かで、多たん分、爆ばう風かなんか受うけたんだろうと思おいます。そこから傷きになって、あちこちに穴あがほげて骨ほが見みえていました。おばあちゃんは、そのないかんとバタバタしよったら、おばあちゃんから「もう戦せでもいいとよ」って言いわれました。小ちさかったから、サイレンが鳴なればどっかに隠かれるものと思おっていて、体かに染しみついていました。こんなことが、もう日にう常茶さ飯事ですよね。五年ねくらいたった四年ねい生の春はから、山やと里小し学校に編へう入しました。この時とのお友とだちの中なには、親おがいない人ひがおりました。それから顔かなどに火やど傷して、ケロイドがあるお母かさんとかいらっしゃって、みんながひどい言こば葉を言いっているのは聞きたし私わたちが帰かった時と、真まっ黒くに汚よれて帰かってくるだろうと、んそ戦せう争が終おわった後あもサイレンが鳴なると、私わが防ぼ空壕に入はらちじょんせまざくふうくうごうたしらだょうがっこうんにゅ26

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