第29集 つたえてください あしたへ・・・・・・
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下しに降おりて「おばあちゃんと一いょ緒に逃にげる」って言いったら、大おや家さんから「いや、もう早はく逃にげな、おおごと。先さに逃にげ起おったかと、みんなびっくりしていました。疎そい開して間まもな外その様よす子が少すし落おち着ついた頃こ、別べの防ぼ空壕に避ひん難していた向むかって逃にげました。何なが何なだか分わからず、もう逃にげるのに必ひし死でした。日ひが差さしていて、途とう中の竹たぶ藪で「じっとしとかなね」って言いって隠かれてたんです。竹たぶ藪の上うを飛ひう行機きがブンブン飛とぶから、「ない」って言いうて探さしよったら、天てう井の梁はに引ひっかかってたんです。靴くも飛とんでなくなってて、買かってもらった新あしい下げた駄だけ握にって逃にげてるんですよ。とっていい」と言いわれ、知しらないおばさんたちに手てをつながれて防ぼ空壕に逃にげました。お姉ねちゃんも一いょ緒です。何なごとがかったので、防ぼ空壕は知しらない人ひばかりで心こそ細かったです。おばあちゃんが、「おりませんか?」って探さしにきてくれました。ここにいたら危あないからと、みんなで滝※の観かん音さんにら、恐おろしかったです。白しい物もが見みえたらね、飛ひう行機きに見みつかるんです。夏ななので白しい襦じん袢と腰こき巻のままで逃にげたおばあうくうごううくうごうちゅろつろそこのっ んにくこえらきけかきながわえ ねかるうぶがく ころうとつないわとけおこからにえ おけうらそやおききとわらなら たふといるらんぎ きらとつがりしうんじょっしっしころぼうくうごうけやけやゅばしまたら入はっていて、外そまで溢あれていました。夜よになって、お寺ての縁え側がから外そを見みた時との光こい景が、真まっ暗くな夜よか中なのに空そは真まっ赤かっか、お月つま様も真まっ赤かっか。もう恐おろしかったですね。んのたき一ひん晩過すごしました。来きました。九こか日の夜よに「目めだ立たんごと行いった方ほがよか」って言いって、夜よか中に鳴なき滝を出でてずっと探さして回まったそうです。家いちゃんが、私わたちに「祠ほの後うろの方ほにおんなさい、おんなさい」って言いいました。てたような気きがします。今いが考えてみたら、お祓はいなんかしてもすぐに治なる訳わではないですけど、やっぱりみんなびっくりしてるからですね。太たこ鼓みたいなのがゴーンって鳴なっても怖こいんですよ。もうどこにも隠かれようもないし……。そこでも焼やけてなかったからですね。会あえた時と「ラジオで新した型爆ばん弾が浦うみ上に落おちたけんて聞きいたけど、無ぶじ事でよかった。でも迎むえに来くる時と、真まっ暗くやったけん、崖がから落おちそうになって、たしすぐ薄うら暗くなって滝たの観かん音さんに着つくと、お寺てに沢たん山の人ひがきさたま頭あを火やど傷した大おや家さんとこの坊ぼやが、お祓はいをしてもらっとばたしさがんう朝あた方、私わの一番ばえ上の姉あと叔おば母が、リヤカーを持もって迎むえにこのるたらかこらんのうけまかんくさんがくだ25

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