第28集 つたえてください あしたへ・・・・・・
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残のっていますけれど、本ほう当に綺きい麗かったんですよ。八月が六むか日台だの前まに座すりました。その途とん端、原げく爆が炸さつ裂したんです。は快かい晴で雲くひとつなく、東ひの空そを見みたら二機きのジュラルミンの飛ひう行機きがキラキラ光ひり、真まつ夏の太たう陽に照てらされて、輝かいているわけですよ。初はめて見みる光こい景だから「わー、綺きい麗やね」って、禎さ子こと私わと母はでいっとき見みていたんです。すると、おばあちゃんが「ご飯はの途とう中だから、早はよう入はって食たべなさい」って言いうたんです。しょうがないから、私わは家いに入はり、ちゃぶのですよ。ただ覚おえているのは、ひっくり返かったちゃぶ台だの四本ほの足あの上うに、舞まい上あがった畳たが斜なめに全ぜぶ部落おちてきて、その三さく角の隙すま間にいた私わは、頭あをちょっと怪けが我しました。ただ禎さこ子がいない。爆ばう風と共とに吹ふっ飛とんだと思おって、狂くったように探さしてね。そしたら禎さこ子の泣なき声ごが聞きこえたんです。「あっ、禎さこ子だ」と言いって、外その方ほを見みたら、どうやってそうなったのか、爆ばう風の影えう響なのか分わかりません。二階かに置おいてあったみかん箱ばが家いの前まに落おちていて、その箱はの上うに禎さこ子いせたしちゅ家いがぶぁーんとなり、どんな風ふにして壊これたか、分わからんんか母ははトイレに入はっていて、何なにも怪けが我してなかったです。くふくふええここえだつおやもいかだうとだがえもだもるんいはみぶええうええはえもごのはきたいえしんなんわがんしがえぼえい はぶもえいおとられなとんい ととわれわえいたえわうなともで7はだじれなかこもらこついれ かえやだんとがしいようけたしんばくれたみたしたまいきょがや綺きい麗」と空そを見みていた人ひは顔かが溶とけ、背せか中を向むけている人ひは背せか中が溶とけ、まともに閃せう光を受うけた人ひは皮ひふ膚が溶とけ、着きの物の袖そみたいに下さがるわけです。だらーんとね。おた帰かると言いうんです。母はがものすごく反はい対して、やかましく言いったんだけど聞きかんで、引ひき返かしたんですよ。帰かるといっが乗のり、わんわん泣ないていました。禎さこ子は傷きと一つなかったです。おばあちゃんは家いの中なにいて、どうもなかったです。「早はく食たべなさい」と言いってくれたおかげで、運うい命の瞬しん間は変かわるんです。そのまま外そを見みていた人ひは、哀あれなことですよ。「綺きい麗、どこもここも火ひの手てが上あがり、母はは危あないと思おい、私わたち四人には太お田川をずっと下さがった三み篠橋に逃のれたんです。家いからほんの一〇〇メートルです。土どて手についた途とん端、大たしたことないと思おったのか、おばあちゃんが孫まの物もや位いい牌を取とりにても火ひの海うですから、結けく局、自じん分の家いの前まの防ぼ火用水すう槽に頭あを突つっ込こんで死しんでいたらしいです。途とう中、火ひの中なを行いったから熱あかったでしょう。大お火傷したと思おいますよ。んこささばんたっきょちゅけどずひゅんかんめたしうかよいそたま

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