第28集 つたえてください あしたへ・・・・・・
8/50

被ひく爆して禎さこ子から教おわった思おいやりの心こころさひ佐さ々木雅まろ弘私わは昭し 和十六(一九四一)年ね七月が、広ひま島市し楠くき木町ちうで生うまれ当とじ時、私わは四歳さでした。島し城じい内の軍ぐい隊本ほぶ部と山さん陰の山さん間部ぶにある三みし次の分ぶい隊を、行いっ禎さこ子は二ふつ下しとは思おえない利りつ発で几き帳面、言こば葉遣づいがとても良よくて気きを配くれる子こだったと父ちが言いっていました。兄にちゃんから先さに乗のせてあげて」って言いうんですよ。そんなきいゃしんてだしろくちんぎくだぎとだはまゅこれさきらだいえいんわさばちはもたただとかうさきだおつきういんまよはちぞんぞちろてくおずがかかなおつょんにだばそもきさょば いつさん うかんくん6ました。楠くき木町ちうは爆ばん心地ちから一・六キロのところです。被ひく爆たり来きたりしていました。です。私わが着きていた服ふを次つから次つへと道みた端に投なげると、禎さこ子は服ふを拾ひい、後うろからついてくる。父ちが軍ぐい隊本ほぶ部から乗のってきた自じ転車に、私わが「乗のせろ、乗のせろ」と言いうと、禎さこ子は「おたしょうわくしすのたし家かく族は父ちと母はと祖そぼ母、そして妹との五人に家かく族でした。父ちは広ひんいょうなんたいもうんば妹とは『原げく爆の子この像ぞ』でよく知しられている佐さ々木禎さこ子です。いほうしゅ空くう襲警けう報が鳴なると、禎さこ子が私わの手てを引ひいて防ぼ空壕に入はるんたしたしろしいもうんかちょうめんたしちばんたすのんたうくうごう子こで、それくらい兄あき貴の面めう倒をずっと見みていました。出でました。ょうじょたし私わたち四人にはちゃぶ台だの前まに座すって、朝あごはんを食たべていょくたしいよいよ八月が六むか日、原げく爆の日ひ。朝あ八時じ十五分ふ、みんな食しじ事の時じん間で火ひを使つっていました。二キロ以いい内の木もう造家かく屋は全ぜい壊し、崩くれた家かく屋に各か家かい庭からの火ひが出でて、たくさんの被ひい害がピカッと光ひったと同どじ時に、一いん瞬の温おど度は約や一〇〇万ま度ど。二、三秒び後ご、それが地ちう上に落おちてきた時とには、三、〇〇〇~四、〇〇〇度ど。その熱ねが広ひま島を覆おったんです。太たう陽が降ふってきたようなものですよ。だからみんな一いん瞬にして溶とけるんです。ました。そうしたら、近きょ所のおばちゃんが「佐さ々木さん、空そを見みてごらん。綺きい麗なものが飛とびよるけん」と呼よんでくれました。食しじ事中ちうなので、おばあちゃんはそこに残のっていましたが、母はと私わと禎さこ子は外そへ見みに行いきました。強きつ烈に今いも頭あにんどんばっしゅろしっしゅんじょくくぞんかいよょうれたま

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る