第28集 つたえてください あしたへ・・・・・・
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そこのお母かさんが、繰くり返かし繰くり返かし、毎まん晩嘆なき悲かしまれるうめき声ご。「やれのお、やれの~お、やれの~お」その声こが、今いでも耳みの奥おに残のっています。もうひとつは、同ど級生が戸と山村の学がう校にやってきました。しかし、ある日ひ突とん然、学がう校に来こなくなりました。原げ爆症が出でて、髪かの毛けは抜ぬけ、高こつ熱を出だし苦くしんで亡なくなったと、後あから聞ききました。もし、あの時と、両りん親が爆ばし死していたら、私わは原げく爆孤こじ児だったのです。もし、あの時と、家いの下しじ敷きになり抜ぬけ出だせなかったら、私わは生いきたまま炎ほの中なで焼やかれて死しんだでしょう。もし、あの時と、爆ばん心地ちから五〇〇メートル圏けい内に住すんでいたら、私わはあっと声こを出だす間まもなく、うきゅうせいっせ驚おろいたことに、熱ねん線を浴あびて火やど傷をした顔かの半はん分が酷ひいケロイドでした。んじ近きょ所でも多おくの方かが亡なくなりました。っかぜんめつ一い家全滅の人ひもいっぱいおりました。私わしの家いは倒たれても、ぺしゃんこにならんかった。奇きき跡だったのかもしれません。生いきるも死しぬも紙か一重で、生せし死を分わけた悲かしい知しらせに、胸むが締しめ付つけられるようでした。やまむら私わしたちは戸と山村に十一年ねん間、暮くらしました。くだっぱ一いつ発の原げし子爆ばん弾が、多おくの幸しせな家かい庭を壊こし、命いを奪ういました。ょうしくし黒くこ焦げで死しんだでしょう。やまむらっこっこつぜみひとえんかあわいばんぶんばくしょうのちんばたしんなたしのおたしうね家のお母さんの声朗 読 者 朗 読 者 別の人の声 別の人の声 別の人の声 40③②①⑬⑫おんてわばくきろきえたえきかけどおどおえたせたないねとたおとみるみまえくこええあげなえ

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