第28集 つたえてください あしたへ・・・・・・
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八時じ十五分ふ、原げく爆が落おとされ、ものすごい音おと暗くみ闇。「あっ、死しぬ」と思おったのです。しばらくして、壊これた家いの中なを見みわ回すと、誰だもいない、窓まも戸ともなくなっていました。「お母かさん、お母かさーん」「子こどもが家いの下しじ敷きになって、引ひっ張ぱりだせないんよ。誰だか助たけてー」ふと見みると、台だろ所で下しじ敷きになっていた母はが這はい出でてきました。ザクロのように傷きち口が開ひいた腕うに、赤あん坊ぼの妹とをしっかりと抱だいていましたが、妹とも血ちまみれでした。母はは妹とを夏な布ぶん団でくるみ、私わに長なつ靴と防ぼう空頭ずん巾をつけさせました。せん。大おやけどをして、ベロベロになった皮かを手てき先にぶら下さげて、歩あいている姿すは、おばけの「橋はに火ひが移うると渡われなくなるから、急いいで!早はく!早はく!」んば家いの外そに出でて、泣なき叫さびました。真まん前まの家いのおばさんが叫さんでいました。いどこ母はは窓まガラスの破はん片が突つき刺ささり、頭あ、顔か、腕うと傷きだらけでした。いもう川か沿ぞいの道みに出でると、すでに大おい勢の人ひがぞろぞろと歩あいていて、その光こい景は今いでも忘われられまょうれつ行ぎ列のようでした。いも土どて手の向むこうの材ざく木置おき場ばが勢いいよく燃もえ始はめ、母はが叫さびました。私わしが死しにもの狂ぐいで橋はを渡わり終おえ振ふり返かると、橋はは焼やけ落おちていました。おぜ川かには大おい勢の死しい体が浮ういていました。向むこう岸ぎに、真まん前まの家いのおばさんが、気きが狂くったように走はっている姿すも見みえました。たまずぐたしおぜきおらやいもうがぐうくうけがたいもうがた育代の声おばさんの声朗 読 者 母の声朗 読 者 37⑥⑤へどはおでずとつはきええしるしたわたしるたえしたつしそややじはけわおさるとちわるますうかでら゛ああとえけええけたはたえれすまかえわれどんとも

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