したんです。しかし原げく爆で家いごと焼やけ死しんだ人ひ、大お火傷の人ひなど、多おくの犠ぎ牲者が出でました。「誰だか助たけてくれー 「お母かちゃん、助たけて。お母かちゃん、どこ?お母かちゃん、出でてきてー」「もう私わはだめ、火ひが回まってくるから、早はよう逃にげなさい!」そういう状じい態で、行いくところもなく、みんな川かに飛とび込こんだのです。そこらの焼やけ跡あの焼やけぼっくいを積つみ重かねて、その上うに死しい体を置おいて燃もやすわけですよ。「小おわ川さん、これをお願ねいします」そりゃもう、大たん変ですよ。朝あから晩ばまで、全ぜん員無む表ひ情。涙なも流なしていません。もう感かく覚が完かん全に麻まひ痺しています。三、四人にの学がい生で死しい体を焼やき続つけたんです。誰だもが言こば葉を言いう気きく力も無なくし、頭あがどうかなってしまっている。川かの土どて手で死しい体を焼やき、その後ごはどうします?・・・その場ばょ所は牛うた田町まの神かだ田橋ばそばです。その近ちくに、小ちさな公こん園があります。ろし当とじ時、広ひま島には七つの川かが流なれていました。川かべ辺に料りり理屋やがあったり、家いに人ひが住すんどったりおぜうしな逃にげ場ばを失った大おい勢の人ひが、叫さんでいました。たしょうた助たかった者もは、何なをしたかというたら、死しい体を焼やく係かです。私わも引ひっ張ぱり出だされました。っせ死しい体にウジ虫むが発はい生して腐くってきますから、早はく焼やかにゃいかん。生いき残のったお年とよ寄りやらが、次つから次つに死しい体を積つんで持もって来きて言いわれるんです。いへんぜんかくせ川かに捨すてなしょうがないじゃないですか。もう片かっ端ぱから川かに流なすわけですよ。んば助たけてくれー」ょうおやけどかりょうじょうんいせいしゃたしみだりょうえたま朗 読 者 別の人の声①別の人の声②別の人の声③朗 読 者 ⑩⑨⑧しんちししかいたわわたしわがれづたんとががんさがぎぎしこたさしたやさとえたたにのすすれすとけわわあすああとえとおがわうわえと朗 読 者 (別の人の声)32
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