第26集 つたえてください あしたへ・・・・・・
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あ と が き一九九四年、終戦から五〇年を迎えるにあたり、戦争・被爆体験を若い世代に語り継ぎたいという組合員の思いで、聞き書きによる被爆体験証言集「つたえてください……」のとりくみが始まりました。二〇二〇年は新型コロナウイルス感染症が世界中で拡大し、日本でも私たちのくらしに多大な影響を与えました。発刊を予定していた第26集は、感染拡大防止のため聞き書き活動を中止し、発刊は延期しました。二〇二一年も新型コロナウイルス感染症の収束の見通しがつかない状況でしたが、証言者や聞き書きメンバーの感染予防対策を講じ、安全を最優先に活動を再開しました。コロナ禍でも三名の被爆体験者の方が証言にご協力いただき、第被爆体験者の高齢化に伴い、お話を直接うかがう機会が限られていきます。今後も被爆体験証言集を通して、お一人でも多くの方の証言を残し、被爆者の思い、被爆の悲惨さ、戦あしたへ 争の愚かさ、平和の大切さを若い世代へ、そしてあしたへ継承していきます。二〇二一年一月二二日、核兵器の非人道性が明記された核兵器禁止条約が発効されました。しかしながら世界唯一の戦争被爆国である日本は、この条約に署名・批准をしていません。NPT再検討会議は延期されており、核軍縮議論の停滞が懸念されます。世界の保有核弾頭数は一万三千発以上(二〇二一年六月時点)。エフコープは、署名活動等を通して、この条約に参加すべきと声を上げ、核兵器のない安心で持続可能な世界の実現をこれからも求めていきます。最後に、この証言集の発刊にあたり、福岡県原爆被害者団体協議会をはじめ、各原爆被害者の会の皆様の多大なご尽力、ご協力に深く感謝申し上げます。二〇二一年十月 エフコープ「聞き書き」活動参加者一同26集を発刊することができました。93
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