第26集 つたえてください あしたへ・・・・・・
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朗 読 者 朗 読 者 (おばさんの声)と(母の声)ん⑧⑦かとえまはえまももごろちたずとかまえとないしとととらもちんじかは(母の声)とはそえぶかえしょうおぜがさおぜっしうくうごうんじんがちな母はは子こどもの事こが気きにかかり、そう言いいながら急いいで帰かってきました。家いの中なはガラス戸どが割われ、障しじ子が破やれ、足あの踏ふみ場ばもありませんでした。つぼ母はは絶ぜう望の中な、初はめはこのまま子こどもたちと死しのうかと考かえたそうです。うくうごうとび山やの上うに着つくと、大おい勢の人ひの中なに近きょ所のおばさんがいて、母はに声こをかけて「ごめんなさい、ごめんなさい」しかし、父ちのことを思おい出だし、裏うの防ぼ空壕に逃にげました。三人にの子こどものうち一ひり人は背せお負い、一ひり人は抱だき、一ひり人は手てを引ひきながら・・・。ところが、防ぼ空壕はすでに大おい勢の人ひが避ひん難しており、入はる場ばょ所がありません。そのため仕した方なく子こどもを連つれて、山やの上うに逃にげました。めらめらと燃もえる長なき崎の町ま、黒く焦こげの死しい体や、ふらふらと水みを求もめてさまよう人ひと々、そんなこの世よのものとは思おえない地じく獄のような町まか中を抜ぬけて、やっとの思おいで山やを目めざ指しました。くれました。「あら、子こどもが一ひり人いないんじゃないの?」「とても三人にを連つれて、一いょ緒に逃にげきれなくて・・・もう、どうしようもな68

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