第26集 つたえてください あしたへ・・・・・・
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朗 読 者 朗 読 者 くじった母はは怖こい顔かをして、小ちさな私わに約やく束をさせました。母はの背せか中にずっと顔かをうずめていたので、どこを通とったのか、どれくらい時じん間が経たったのか全まくわかりませんでした。母はの背せか中で感かじた、あの時との絡かみつくような暑あさ。焦こげたような気きも持ちの悪わい匂にい。吐はきそうな匂にい。言こば葉ではとても表あせない匂にい。唸うるような恐お子こどもに決けして見みせまいとした母はの見みた長なき崎の町まの光こい景は、どんなものだっいわもうとお妹いとと里さや親は幸さいにして無ぶじ事でした。たしくじ翌よつ日、私わは母はにおぶさり、目めを開あけずに帰かりました。たしいははえ⑪べえすはっちとおおるおなそらきんなはつ(母の声)ないおわは(母の声)⑩おとははおばなぶもばかおなはお母はは小ちさい私わに言いったのです。もうもうたしたしったっしんぱくそちながさゅうしがさんぱらわうけそして翌よつ日、妹いとのいるところへ、母はと一いょ緒に長なき崎の中ちん心を通とって行いったんです。母はは里さご子に出だした妹いとのことが心しい配で、心しい配で・・・。「絶ぜい対目めを開あけてはいけんよ。顔かを上あげてはいけんよ」「しっかり背せか中につかまっているんよ」おんぶ紐ひで自じん分の背せか中に私わを縛しり、街まか中を小こし走りに駆かけていきました。ろしいうめき声ご。それら全すてを忘われることができません。たのでしょう。61
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