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どうすればうまくいく? 子育てママの社会復帰 第2話

2019年04月02日

NPO法人「ママワーク研究所」で、精力的にママの社会復帰へのサポート活動を行っている“超子育てアドバイザー”の中山淳子(なかやまじゅんこ)さん。1話では、中山さんが現在の活動を始めるまでの経緯や、ママの再就職で多くの方が抱える不安や問題点などについてお話を伺いました。2話では、それらの壁を乗り越えるための考え方についてご紹介します。

「できる」ことを前提に考える

中山さん:
「前回お話しした、ママの社会復帰のハードルとなる“4つの壁”に対して私からアドバイスする前に、ぜひみなさんに心掛けてほしいことがあります。それは、すべてにおいて必ず『できる』を前提に考えるということ。『子どもとうまく向き合うためには』『夫に理解してもらうためには』『上手に時間をやりくりするためには』どうすればいいかを考えるんです。

最初に『できない』と思ってしまうと、そこから先には進めません。働きたいという意欲が湧いたにもかかわらず、あきらめざるを得なくなります」

いかに愛情を持って子どもと接するか

では早速、ママが抱える4つの壁を乗り越えるための、中山さんの考えをお聞きしましょう。

中山さん:
「最も大きな不安は、仕事をしながら子どもと向き合っていけるのかということでしょう。仕事を優先して子どもを保育園に預けることへの罪悪感を持つ方も少なくないと思いますが、そんなみなさんがとらわれてしまいがちなのが『3歳児神話』。子どものためには、わが子が3歳になるまでは母親は育児に専念すべきという説です。
でも、本当にそうでしょうか? 子育てに専念しなければと自分を抑えてストレスを抱えた状態で、健全な育児ができるでしょうか?

子どもと接するのに大切なのは、一緒にいる時間の長さではなく、愛情の深さだと私は確信しています。たとえ短い時間でも、とびきり愛情を持って子どもと接すれば、子どもは絶対にその愛を感じとることができるのです。
ママが仕事をしている間、保育士さんが、あるいはおじいちゃんおばあちゃんが、ママに代わって子どもに注いでくれる愛情も、わが子の成長のために大切なものです」

夫に自分の意思をはっきり伝える

中山さん:
「働くことへの夫の理解も大きなハードルでしょう。でも意外に多いのが、夫に相談する前に『どうせダメと言われるから』と諦めているケース。案外、きちんと伝えればあっさり同意してもらえることもあるものです。あるいはもしかしたら、夫には夫なりに妻が働くことへの不安を抱えているかもしれません。まずはお互いの思いを共有し、しっかり話し合ってみることです。『夫婦は以心伝心。いちいち口に出さなくてもわかっているはず』?いえいえ!そんなことはありません。

わが家での出来事ですが、ある日、子どもが熱を出した時のこと。私は仕事が忙しく休みづらい。でも看病を夫に任せるわけにはいかない。どうしようかと悩んでいたのですが、実は夫はその時、仕事を休める状況だったんですね。でも、彼は彼で、てっきり私が息子を看病したいのだろうと思っていたので、あえて自分が休めることを私に伝えなかったと。
夫婦とはいえ、お互いの気持ちをその都度きちんと伝えることはとても大切なこと。以心伝心ではなく、『以心”発信”伝心』だということを忘れないでくださいね」

例えば、朝の時間を有効に使う

家事に育児に仕事、それぞれの時間のやりくりについて、中山さんが実践していることがあります。

中山さん:
「仕事をしながら家事や自分の時間をどうやって確保するかは、大いに悩むところです。私も、子どもを寝かしてから自分のことや家のことをやっていた時期もありますが、つい子どもと一緒に寝落ちしてしまい、自己嫌悪に陥ることもしばしば。
そんな時に、同じように子育てをしている友人が、夜は子どもと一緒に早く寝て、その分、朝は3時や4時など早く起きてたっぷりと自分の時間を過ごしているという話を聞いたんです。で、さっそくやってみたら、これがすごくいい!
睡眠はしっかりとれているから朝早くてもスッキリ目覚められるし、深夜にダラダラ過ごすのと違って、限られた時間の中で集中して効率よくいろいろなことができました。
このように、朝のひと時を有効活用するのも、時間をやりくりするためのひとつのアイデアだと思います」

セミナーや講座でスキルを磨く

「ママワーク研究所」で開催している講座の様子。福岡市、北九州市を中心に、県内各地で実施しています。

自分のスキルや能力に対する不安はどのように解決すればいいでしょうか。多くの職種で必要なWordやExcelが使えないとか、サービス業の経験しかないからデスクワークができるのかとか、ママが抱える不安はきっとたくさんあると思うのですが。

中山さん:
「ママの社会復帰に必要なスキルを身につけるセミナーや講座を受講することをおすすめします。私が運営している『ママワーク研究所』でも、行政とタイアップしながらWordやExcelなどのパソコンスキルや、ビジネスシーンに役立つ立ち居振る舞い、話し方講座など、ママの再就職のためのさまざまなプログラムを準備しています。
高い費用を払ってわざわざ学校に通う必要はありません。自治体の協力のもと、地域の公民館などで開催されている講座なら、安い費用で受けられるものがほとんど。ぜひ探してみてください。学ぶ喜びを知ることも、再就職への意欲へとつながります」

仕事は自分を主役にしてくれる

子育て中のママにもぜひ仕事を持ってほしい。そう語る中山さんが伝えたい、働くことの意義とは…。

中山さん:
「専業主婦で子育て中。そういう日常の中では、多くの女性は名前ではなく『○○ちゃんのママ』と呼ばれることが多いのではないでしょうか。そう、育児中の自分はあくまで子どもの母親、いわば脇役としての存在です。もちろんそれは当然で、決して悪いことではありません。でも、そのような中で仕事をしているひとときというのは、いわば自分が主役になれる時間。自分の人生は自分が主役です。だからこそ、限られた時間でも、働くことで自分を人生の主役にしてほしいんです」

働きたいと願う多くの方に、勇気と希望を与えてくれる中山さんのお話、参考になりましたか? 3話では、仕事を抱えたママの、夫や子どもとのコミュニケーションの取り方についてご紹介します。

編集:神代裕子 文:丸山砂和 写真:音𣷓潤一

Profile

中山淳子(なかやまじゅんこ)さん
1967年生まれ。NPO法人ママワーク研究所理事、Domani代表、コメンテーター。20年にわたって七田チャイルドアカデミーで幼児教育にたずさわった後、輝くママと子どものために“超子育てアドバイザー”として各地で講演活動やコンサルティング、研修などを行う。情報番組のコメンテーターとしても活躍し、現在はTNCテレビ西日本「ももち浜ストア」に出演中。昨年10月に『超ママ力 女性が輝く子育ての魔法』(リボンシップ)を上梓。一児の母。
ブログ:「超ママ力」中山淳子のパタパタ日記

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