子育て

アレルギーっ子の防災対策

2019年04月12日

ここ数年、各地で大規模な自然災害が発生しています。九州でも、「平成28年(2016年)熊本地震」や「平成29年7月九州北部豪雨」が相次いで発生するなど、大規模自然災害は、いつどこで起こってもおかしくありません。

食物アレルギーのある子どもとその親にとって、被災時の食事はまさに死活問題。そこで、エフコープ組合員で、防災士と環境アレルギーアドバイザーの資格を持つ久保千景(くぼちかげ)さんに、アレルギーっ子の災害対策について聞いてみました。

「もしも」ではなく「いつも」の視点で備えることが大事

ご自身も、食物アレルギーのあるお子さんがいらっしゃる久保さん。東日本大震災を経験したことから、「自然災害を完全に防ぐことはできない。だからこそ、『もしも』ではなく『いつも』の視点で災害に備えることが大事」と話します。

久保さん:
「大規模な自然災害が発生すると、途端に食料品が手に入りにくくなります。食物アレルギーのある子どもにとって、何より大変なのが『食べられる食料品がなくなる』こと。被災した時に『子どもに食べさせるものがない…』と困らないためにも、まずは日ごろから子どものアレルギーに対応した食料品を備蓄しておくことが大切です。

非常食は、救援物資が届き始めるまでの1週間分を最低でも備えておくことをおすすめします。また、アレルギー治療用ミルクなどは避難所に置かれていないことが多いので、余分に準備しておきましょう。アレルギーのあるなしにかかわらず、乳幼児がいる方は粉ミルクを1缶またはスティックタイプのミルクを準備しておくといいですよ」

写真は、久保さんがおすすめする非常食。左上から時計回りに『A-Label カレーポーク 甘口』『COOP ミートソース』『プチミート トマト味』『非常食Bセット』『ライスクッキー いちご味』『ライスクッキー ココナッツ風味』『かしわめしの素』『えいようかん』。エフコープのカタログで購入できます。

「備えたまま」にならないように

久保さん:
「災害時に備えて必要な食料品をストックしていたとしても、ただ備えたままになってしまい、必要になった時に『賞味期限が切れていた…』というのはよくある話です。そうならないためにおすすめするのが『ローリングストック』です。

ローリングストックとは、災害時に備えた食品の備蓄方法のひとつで、普段の食事に利用するレトルト食品や缶詰などを備蓄食料にすること。期限の近いものから使うようにしておけば、賞味期限切れの心配もありません。

また、非常食の味を子どもに慣れさせておくことで、被災時でもストレスなく食べることができるメリットもあります。できる限り、子どもが『おいしい!』と思える食料品をストックしておくようにしましょう」

子どものアレルギーへの「耐性を知る」

久保さん:
『備える』ことと同じくらい大切なのが、アレルギーへの『耐性を知る』ことです。どのアレルゲンを口にしたり、触れたりすると、どのような症状が現れるのか。また、アレルゲン除去解除中の食品がある場合、どの程度の量なら食べても大丈夫なのか。これらを具体的に把握しておくことが、アレルギーっ子がいる親の防災対策の第一歩です。

その対策として、専門医のもとで食物経口負荷試験を受けておくことをおすすめします。また、その診断に基づき、必要最小限のアレルゲン除去にしておくことが、日々のくらしにおいても、防災対策においても、とても大切になってきます。

ただ、被災直後はストレスや環境の変化などによって、食べられるようになった食品でもアレルギー症状が出ることも珍しくありません。日頃から、子どもの様子を見ておいてくださいね」

いざ!という時に大切なこと

久保さん:
「大規模な自然災害に見舞われた時、場合によっては避難所での生活を強いられる可能性もあります。そうなると、アレルギーのある子どもは一大事。もし、避難所で提供される炊き出しや支援物資の中にアレルゲンが含まれていたら…。親と一緒に避難しているならまだしも、離れ離れになっていた場合、子どもが空腹のあまりについ食べてしまって、場合によっては命に係わることにもつながりかねません。

そうならないためにも、避難所生活を送るようなことになった場合は、まずは子ども自身が『何のアレルギーがあるのか』を周りの人たちに伝えることが大切なんです」

アレルギー表示カードの活用を

NPO法人アレルギー支援ネットワークの「おねがいカード」。

久保さん:
「とはいえ、子どもが周りの人たちに“自分に何のアレルギーがあるのか”を伝えることは、簡単なことではありません。そんな時に便利なのがアレルギー表示カードです。

このカードは、アレルギーを持つ子どもの住所や氏名、アレルゲンとその症状、緊急時の連絡先や主治医、診察券番号、服薬中の薬名、エピペンの有無などを記入し、常に身に着けておくもの。お子さんの顔写真を貼っておくのもいいですね。

これがあると、たとえ災害時に親と離れ離れになったとしても、周りの人たちに『自分に何のアレルギーがあるのか』を伝えることができます。写真のアレルギー表示カードは、NPO法人アレルギー支援ネットワークが作っている緊急時や災害時の「おねがいカード」※です。このようなカードを作って普段から名札や園バック、ランドセルなどの中に携帯しておくと、万が一の時にとっても役に立ちますよ。

ただし、子どもの成長に合わせてアレルゲンなども変わりますので、記載内容については、最低でも1年ごとに見直しましょう」。

※「おねがいカード」は、送料を負担すれば送ってもらうことができます。申し込みフォームはこちらから。

いつ、どこで起こるかわからない自然災害。「もしも!」の時に子どもの身の安全を守ることができるよう、普段からの備えを心掛けておきましょう!

教えてくださった方

久保千景(くぼちかげ)さん
エフコープ組合員。「福岡de食物アレルギーっ子ママの会」「さくらんぼの会」などで活動中。防災士&環境アレルギーアドバイザーの資格を持つ2児の母。

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