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【大牟田市】動物たちの幸せなくらしを追求する小さな動物園「大牟田市動物園」vol.1

2019年11月06日

住民の憩いの場として長年愛されながらも、財政難から一時は閉園も検討された小さな市立動物園“大牟田市動物園”。しかしそんなさみしいエピソードは、もはや過去の話!今や「動物福祉を伝える動物園」として、国内外から熱視線を浴びる人気園へと変貌を遂げていることを、ご存知ですか?

今回は、一般客はもちろん、動物の専門家からも高い評価を受ける同園の魅力を探るため、潜入レポートを敢行してきました!

動物目線から、幸せな暮らしをトコトン追求

緑豊かな延命公園の一角を占める”大牟田市動物園”。民間に運営委託され運営が一新した2006年以降、「動物福祉を伝える動物園」をコンセプトに、動物の幸せなくらしをめざすための多くのとりくみが実践されています。


“ぞうはいません ぞうは群れ社会で生きています。当園には群れを飼える広さがありません”

一見、ゾウ目当ての来園者を突き放す冷たいメッセージに思えますが、明快な理由が添え書きされていて納得。大牟田市動物園ではゾウが幸せな状態で暮らせないとわかっているから、あえて飼育しないことにしているようです。ゾウ好きの子どもが「なんでゾウさんいないの?」と残念がったら、しめたもの!大好きなゾウさんの生態について親子で考え、学ぶきっかけになりそうです。

◎こうした大牟田市動物園の「動物福祉」への考え方やとりくみについては、vol.2でさらに詳しくお伝えする予定です!お楽しみに。


園内にはアップダウンはありますがスロープ完備で、ベビーカー移動も問題なし

さて、ゾウはいないと判明しましたが、ほかにはどんな動物たちが暮らしているのかな? さっそく、動物たちに会いに行ってみましょう!
 
入り口のマップによると、園の細長い敷地を貫くように延びる長い一本道を歩いていけば、すべての動物と会うことができる配置になっているよう。初めて訪れる人でもすぐに園の全体を把握できる規模感ですし、まず迷うことはなさそうです。

気ままな動物たちの、ありのままのくらしが見られる

現在、大牟田市動物園の園内には50種ほど、計約250個体の動物が暮らしています。一番多い時期にはこの2倍の動物を飼育していたそうですが、限られた人員、設備、広さの中で無理なく飼育できる数を考え、「これ以上は増やさない」という方針にしたのだとか。

クジャクやツルなどが暮らす「とりの楽園」。人間も中に入って、鳥たちを間近で観察することができます

適正な数に保たれているからか、動物たちはみんな、ゆったり暮らしているように見えました。ネットで覆われたゾーン内で鳥たちが自由に暮らす「とりの楽園」(写真)も、かなりゆとりのある広さ!遠目に見て、一瞬「ゴルフの打ちっ放し場でも隣接してるのかな?」と勘違いしてしまったほどの巨大空間です。

こちらは、モルモットたち。80頭以上が暮らしているそうですが、飼育員さんたちは、全員の見分けがつくのだとか。世の中には、運動会のダンスの列にいるわが子すら見分けられない親も多いというのに、すごい眼力。脱帽です。

モルモット舎の隣にある「モルモットとわたしの広場」では、毎日決まった時間に、モルモットを近くで観察できるイベント「モルモットとわたしの時間」が開催されています。驚いたことに、イベントの時間にモルモット舎を出て広場に移動するかどうかは、モルモット自身が自分の意思で決めるのだとか。気分が乗らない子を無理に参加させることはないそうです。

続いて紹介するのは、ホワイトタイガー「ホワイティ」。美しい毛並みに目が釘付けになります!

ですが大牟田市動物園では、このホワイティが寿命を全うしたあとは、もうホワイトタイガーを飼育しないことが決まっているそうです。

というのも、ホワイトタイガーは人為的な操作による近親交配によって生まれているケースが多く、その結果、体の機能異常などが起こることも少なくないためです。ホワイティは生まれつき内斜視です。眼球が中央に寄っており目尻のほうに血管が常に見えているため、目をけがしているのですか?と聞かれることもあるそうです。こうした目に見えるもの以外にも、体内の器官の異常が起こることもあります。

もうホワイトタイガーを飼育しないという園の方針が、過去、SNSでの炎上を呼んだこともあったそうです。ですがそれでも、もの珍しさで人を集めるのではなく“動物が穏やかに暮らせる環境を整え、その環境ごと来園者に見てもらって一緒に考えてもらう”という大牟田市動物園の姿勢は、ブレません。

ホワイティのお隣は、これまた人気者のアムールヒョウ「ポンちゃん」のスペース。でも姿が見えない…と思って探したら、あんなところでくつろいでいました!なんでも、高いところが好きな動物のスペースは、ストレス軽減のため、可能な限り垂直移動もできる造りになっているそうです。遠くまで見えるからか、確かに居心地良さそう。

ちなみにポンちゃん、父「ベル」と母「チャイム」の間に生まれた三きょうだいの二番目の子だそう。
三きょうだいの名前は、上から「ピン」「ポン」「ダッシュ」だそうです。誰がつけたんでしょうね…?

園内にはほかにも、個性的な動物たちがいっぱい。

動物たちは基本的に思い思いの場所で過ごしているため、ずっと寝室にこもっていたりとタイミングによってはまったく姿を見られない動物もいますが、動物たちが自分の好きなところを選択できることがとても重要なんです。この日は運よくたくさんの動物たちと会うことができました!

このあたりはもともと有明海の海底だったそうで、園内には、みごとな地層の縞模様が露出している場所もあります。傍らには、本物の化石も!大牟田ならではですね。


動物のレリーフが楽しい「えんめい橋」

さて、ポンちゃんゾーンからさらに進み、「えんめい橋」を渡った先には、園内最奥部となるエリアが広がっています。

こちらのエリアの花形的存在が、キリンの「リンくん」と「プリンちゃん」カップル。現在、二世の誕生が期待されています。

そしてお次は、展示室に組まれた木の上でお昼寝中のレッサーパンダ。さて、どこにいるでしょう?
木にさりげなく混ざった消防ホースにもご注目!これは本来の用途では使えなくなったホースを地元の消防署から寄付をしてもらっているものだそう。動物園近隣の方々の協力で、動物たちの生活の質がより高まっているのですね。

長さがありさまざまな用途に転用できる上、十分な強度を備えている消防ホースは、動物のための道具を作る素材として最適なのだとか。園の至る所で、大活躍している様子が伺えました。


この日はあいにくのお天気。それでも気持ちのいい眺めです

園の端っこには展望デッキが設置されていて、視界のいい日には有明海の向こうに雲仙まで見渡せるそうです。

しばし休憩したら、来た道をたどって入り口まで戻ります。一度見た動物たちを再度見ながら帰ることになりますが、同じ動物でも行きとはまったく違う行動をとっていることも多く、楽しみながら戻ることができました。

動物以外のお楽しみポイントもチェック!

大牟田市動物園には、動物以外のお楽しみもいっぱい!キッズ大好き、ミニ遊園地も併設されています。ミニ遊園地の近くにはSLの展示も。

動物園の一番奥には、幼児向けの遊具ゾーンもあります。サラサラヘアーのライオン遊具、表情がいいですねー!

アザラシプール横にある売店では、オリジナルグッズも多数販売されています。バッグやハンドタオルなど、どれも素敵なデザインで、使うのが楽しくなりそうです。

動物園のアイドルたちのマグネットも良心価格で販売。動物たちのキメ顔を見ていると、80年代ごろ、ファンシーショップに売っていたアイドルの生写真を思い出します。

と、大牟田市動物園を一通り満喫したところで、今回の記事は一区切り。この楽しさ、伝わったでしょうか?次回vol2では、大牟田市動物園の動物福祉へのとりくみをさらに深堀りしてご紹介します!

⼦どもとお出かけ DATA

◎⼦どもトイレ/なし(一部に小児用補助便座付トイレあり)
◎おむつ替えシート/あり(授乳室と、園内3か所の「みんなのトイレ」内)
◎授乳室/あり(レクチャールーム内に3室)※ミルク用のお湯は入り口で提供可。スタッフに声かけを
◎ベビーカー貸し出し/あり(1台につき1日100円〈簡易B型〉)※数に限りあり
◎売店/あり
◎飲⾷店/軽食スタンドあり(レストランなし)


「レクチャールーム」にある3室の授乳室は感動の広さ。
壁には写真がデコレーションされ、上の子がいても楽しみながら待たせられます。


大牟田市動物園

福岡県大牟田市昭和町163番地
TEL:0944-56-4526
開園時間/9:30〜17:00 (12〜2月は〜16:30)※入場は閉園の30分前まで
定休日/毎月第2・4月曜日(祝⽇の場合は翌⽇)、年末年始(12月29日〜1月1日)
料金/入園料 大人380円、高校生220円、4歳〜中学生80円、3歳以下無料
アクセス/JR・西鉄大牟田駅(東口側)より徒歩約20分。バスの場合、にしてつバス「大牟田駅前」バス停より行き先番号7-1番「西鉄大牟田営業所行」に乗車。「延命公園・動物園前」下車、徒歩4分。車の場合、九州自動車道南関ICより約30分
駐車場/275台(1日200円)
https://omutacityzoo.org/
FB:https://www.facebook.com/omutacityzoo/

※この情報は2019年11月時点のものです

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