コラム

アレルギーっ子の子育て 第6回:アレルギーっ子はスポーツクラブに入れるか?

2019年01月25日

小麦と卵の食物アレルギーとアトピー性皮膚炎にぜんそく。3つのアレルギー症状を抱えた息子を育てあげたお母さんの奮闘記と先輩ママとしてのアドバイスです。


 

ぜんそくやアレルギーの薬を飲みながらも、小学校に通った息子は、成長とともに少しずつ小麦を食べられるようになっていった。卵はまだ反応が出るので食べられないままだったが、無事に小学校生活を送っていた。

そんな息子が、小学校4年生の春、急に「スポーツ少年団のソフトボールチームに入りたい」と言い出した。ぜんそくやアレルギーがあるので、屋外での練習が厳しいソフトボールをさせるのに不安はあったが、息子が「どうしても入りたい!」と言うので入団することになった。

息子は、学校が終わっても友だちとソフトボールの練習、土日もずっと練習。暑い日も寒い日もずっと外でボールを追いかけ、仲間と楽しそうにソフトボールをしていた。
息子がスポーツを習うのは、今回が初めてというわけではなかった。小さな頃から「呼吸器官が丈夫になるから」と言われてスイミングに通ったり、幼稚園の時に週1回だけのサッカー教室に通ったりしていたことはあった。そのころは「たまにはさぼりたいな~」と言っていた息子が、ソフトボールは1回も嫌がらずに楽しそうに続けていた。

アレルギーっ子をスポーツ少年団に入れるかどうかを悩むお母さんも多いと思う。
練習や試合などで差し入れをいただくことも多いし、試合で勝利した時は打ち上げで夕食会がある。
息子は、「自分は卵を食べてはいけない」とわかっていたので、差し入れのお菓子が配られる時は「卵は入ってますか?」と大人に聞いていた。私が付き添っている時はいつも、私に聞きに来ていたし、食べられないお菓子をお土産にもらった時は「お姉ちゃんにあげよう」と言って私に持ってきた。

夕食会も、卵が入っているものは避けて上手に食事ができるようになった。
息子は6歳ぐらいから、卵が入っているかわからない場合は大人に聞いたり、お店の人に聞いたりすることができていた。それは、息子の強みだったと思う。みんなが丼を頼む時は、卵が使われていないまぐろ丼を頼むことが多かったが、まぐろの上にウズラの卵がのっていることが時々あった。その際、息子が「『卵、外せますか?』と聞いてみて、『できる』って言われたら注文しようかな」と言った時に、成長したなあと感心した。

何かと心配事はあったが、外で運動するというのはぜんそくにも良かったようで、発作がほとんど出なくなった。
外で日に焼けることも多いので、皮膚も強くなった。汗をかいた時にかゆがるのはあったが、だんだんアトピーも良くなってきた。運動をすることで食欲も増して、ご飯もよく食べた。ただ、小麦は、「食べられるようになっても食物運動誘発アナフィラキシー※を起こす危険性がある」と言われていたので、運動前には息子自身気を付けて摂らないようにしていた。

※主に学童期以降にみられるアレルギーで、特定の食べ物を食べてから数時間以内に運動をすると症状が現れるもの。症状は全身のじんましんやむくみ、せき込み、呼吸困難などが現れ、進行が早く、約半数は血圧が低下してショック症状を起こす。

アレルギーで食べられない物があってもご飯はよく食べていたので、平均より身体が大きかった息子は、スポーツをすることで骨格もしっかりしてきた。成長期に仲間とスポーツをしたり、監督やコーチからの指導を受けたりできたことは、精神的に鍛えられて貴重な体験となった。

始める前は不安だったが、スポーツクラブに入ったことで得たものは大きかったと思う。「うちの子も、できなくはないと思うんだけど…」と、同じような不安を今抱えているお母さんがいたら「試しにやらせてみたらどう?」とそっと背中を押してあげたい。

編集:神代裕子 イラスト:二木ちかこ

profile

篠澤真喜子(しのざわまきこ)

娘(26歳)と息子(23歳)の母。乳児のころから食物アレルギーとアトピー性皮膚炎とぜんそくを患っていた息子を育て上げた経験を持つ。その経験を生かして、エフコープの店舗で年4回開催される「食物アレルギー交流会」などで、アレルギーっ子ママの先輩として、今悩んでいるお母さんたちのサポートなどを行っている。

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