コラム

子どものかんしゃく、どう受け止めればいいの?

2018年04月02日

より良い親子関係をつくるためのプログラム「アクティブ・ペアレンティング」のトレーナー・野口紀子さんが、子育てが楽しくなる話を綴ります。


 

今でこそ、子育てについての講師として「より良い親子関係のつくり方」をお伝えしている私ですが、昔は私も新米ママ。幼い娘の強いかんしゃくにとても手を焼いてました。

娘は無口で、何を考えているのか全くわからない。気に障ると怒り出すので、結構ハラハラしたものです。
私の方が「また!?」と怒りたくなるようなことはしょっちゅうで、頑張って自制するけれど、何かスッキリしない。しかも、娘にそんな心の内を見透かされ、あしらわれている気もする…。そんなモヤモヤした日々を過ごしていました。

ある日のこと。食卓の椅子に座っていた娘が、突然怒り出して椅子に立ち上がり、テーブルにあった小さな箱をつかむと、思いっきり投げ飛ばしました。一瞬の出来事で止める間もなく、私は「あ~」と言うのが精いっぱい。
その箱が飛んで行った先には、遊びに来ていた小学1年生の男の子が立っていました。すると、その子は飛んできたその箱をとっさに両手で受け止めたのです。彼にケガがなくてほっとしたのも束の間、それを見た娘が今度は他の物を手に取って投げました。すると、また男の子がキャッチし、また娘が他の物を投げて…の繰り返し。見ると、娘はニコニコ顔で楽しそうではありませんか!

怒っていたはずの娘は、腹立ちまぎれに投げた物を男の子が受け止めてくれたことがうれしかったのでしょう。「怒ってたんじゃないの?」と私がとまどうほどの笑顔になっていました。

それを見ていて、気が付いたんです。「子どもの怒りはガッチリ受け止めてあげればいいんだ!」と。男の子が受け止めてくれたのは物でしたが、感情も同様なんだと。

そもそも、子どもが怒りを我慢するなんて不可能なのです。何かしら刺激があれば、怒ったり泣いたりという感情が起こるのは当たり前。ならば、押さえつける(抑圧する)よりしっかり感情を出させてあげた方がいい。怒りは小出しにしてスッキリさせてあげた方が得策です。そうすれば、後々に「爆発する」ということもありません。衝撃は、跳ね返すより吸収した方が痛みは少ないのです。

「この男の子のように上手に受け止めよう。これも親の仕事だ」そう心に決めた出来事でした。

編集:神代裕子 イラスト:ムツロマサコ

profile

野口紀子(のぐちのりこ)さん
心理学をベースに、さまざまな考え方や技法を取り入れて、より良い親子関係をつくるためのプログラム「アクティブ・ペアレンティング」のトレーナー。25年間で延べ5000人以上の親御さんたちに子どもとの接し方などを伝えている。自身も3人の子どもの母。

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