コラム

アレルギーっ子の子育て 第4回:アレルギーっ子の幼稚園生活

2018年11月28日

小麦と卵の食物アレルギーとアトピー性皮膚炎にぜんそく。3つのアレルギー症状を抱えた息子を育てあげたお母さんの奮闘記と先輩ママとしてのアドバイスです。


 

息子は、食物アレルギーだけでなく、アトピー性皮膚炎もひどかったので、幼稚園に入園させる時期を年少にするか年中にするかは、随分悩んだ。
しかし、年少から入った子の方が、年中で入った子より幼稚園に慣れているのを見て、年少から入れた方が本人にとってもいいかなと思った。
プレスクールにも通って、幼稚園側も息子に食物アレルギーがあることも十分理解してくれたこともあり、年少で入園した。

私が一番心配していたのは、給食のことだった。
その幼稚園は業者のお弁当給食だったので、お弁当箱を借りてそれに私が作ったものを入れ、スクールバスに乗っている先生に預けることにした。

初めての幼稚園生活を息子がどう過ごしていくか心配だった私は、役員になった。役員の活動が盛んな幼稚園だったからだ。
役員の用事で幼稚園に通うことが多く、息子の幼稚園での様子を毎日のように見ることができた。

ある日、教室を覗くと息子がいないことがあった。
どうやら、暑さのせいで全身がかゆくなって泣いていたらしい。冷房が効いている職員室で、園長先生が見てくれていた。
こじんまりした幼稚園だったので、園長をはじめ、担任の先生も他の先生もみんなで息子を見てくれていて、とてもありがたかった。

年少の終わりに、「役員お疲れ様」ということで、役員の親と子どもで食事会があった。
親はお弁当で、子どもたちは唐揚げなどのいろいろなおかずがある大皿料理だった。子どもたちはみんな「どれを食べようか」とはしゃいでいた。
しかし、小麦と卵に食物アレルギーのある息子は、いつも私が作ったお弁当だ。騒いでいるみんなの様子を見て、にこにこしながら自分のお弁当を広げていた。

それを見て、ちょっと辛くなった。
私は息子を、小さい頃から自分が食べられないものを他の人が食べても気にしないように育ててきた。食物アレルギーだからといって、周りが気を遣わなければならないようにしたくなかったからだ。だから、家族も小麦も卵も食べていた。
息子はその状況に慣れていたので、他の子たちが楽しそうに食べているのを見て笑っているのだ。

園長先生が息子のお弁当に気づいて、息子にも食べられる枝豆やゼリーやおせんべいを、息子の前にドサっとおいてくれた。
息子は園長先生の行動に恥ずかしそうにしていたけれど、他の子どもたちもにこにこしてた。親が思うより子どもは強いんだなと思った。

最近、その時を思い出して息子に聞いてみたら、実は「みんなが食べているものを食べられないのは辛かった」のだと言う。親にはそのことを心配させないように、小さいながらも平気そうにしていたのだろう。
あらためて、息子は小さい頃からアレルギーと闘ってきたんだなと気付かされた。

心配していた幼稚園生活は、先生方が息子のことを本当に考えてくれて、お泊り保育なども無事に行うことができた。
お友だちも、息子に食物アレルギーがあることを十分理解してくれて、優しくしてくれた。

食物アレルギーなどのアレルギー疾患を抱えて、幼稚園という初めての社会生活に一歩足を踏み入れるのには勇気が必要だったが、息子のポジティブさとみんなのおかげで、無事に乗り越えることができた。

編集:神代裕子 イラスト:二木ちかこ

profile

篠澤真喜子(しのざわまきこ)

娘(26歳)と息子(23歳)の母。乳児のころから食物アレルギーとアトピー性皮膚炎とぜんそくを患っていた息子を育て上げた経験を持つ。その経験を生かして、エフコープの店舗で年4回開催される「食物アレルギー交流会」などで、アレルギーっ子ママの先輩として、今悩んでいるお母さんたちのサポートなどを行っている。

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