コラム

アレルギーっ子の子育て 第2回:除去食作りの日々に出会った仲間たち

2018年09月27日

小麦と卵の食物アレルギーとアトピー性皮膚炎にぜんそく。3つのアレルギー症状を抱えた息子を育てあげたお母さんの奮闘記と先輩ママとしてのアドバイスです。


 

生後6カ月で息子が小麦と卵の食物アレルギーと診断されて、離乳食の時から卵と小麦を使わない食事作りが始まった。おかゆを中心にして、離乳食の本を頼りにまとめて作っては小分けにして冷凍していた。

卵と小麦の除去食作りは、なかなか大変だ。
娘の時はよくうどんを食べさせていたけれど、息子にはうどんもパンも食べさせることはできない。
家にある醬油や酢やみそも小麦が使われているのでNGだ。代わりにあわ醤油など、調味料も家族と全部別に買っていた。

今は米粉の商品が多くあるが、20年前の当時にはほとんど売っていなかった。
ある時、「米粉で作ったパンを発売」というめずらしいチラシを見て、車で1時間掛けて買いに行ったら「小麦粉が10%入っています」と言われ、さみしく帰ったこともあった。
代わりに、自分でひえ粉やあわ粉を使い、卵も小麦も入っていない色が悪いホットケーキのようなものを作っていた。息子はそれでもおいしそうに食べていた。エフコープの『エッセンポーク』は通常のソーセージには入っている乳、卵が入っていない。乳、卵、小麦、ピーナッツ、そば、えび、かにを除去した「特定原材料7品目除去商品」だったので、よく利用していた。

ハンバーグは、つなぎに卵もパン粉も使えなかったので人参をすりおろしたものを入れて、よく練って作っていた。
食物アレルギー用のレシピ本は当時あまりなくて、本屋やインターネットで随分探したものだ。

除去食作りに悩みながらもアレルギーのことをきちんと勉強したいと思っていたら、主治医から「アレルギー教室に通ったら?」とすすめられた。通院していた病院では、アレルギーのある2歳児までの親を対象にアレルギー教室を開催していたのだ。
申し込む時に「重症の方のご家族しか入れませんよ」と言われたが、食物アレルギーにぜんそくにアトピー性皮膚炎を患う息子はしっかり重症だったので、1年どころか2年通った。

息子を初めて託児に預けて通ったアレルギー教室では、いろいろなことを学んだ。
専門の医師に、食物アレルギー、ぜんそく、アトピー性皮膚炎についての知識を、栄養士に、除去食を続けることが成長にどのような影響があるかなどについてを学んだ。
座学の後には、病院の栄養士がアレルギー除去の食事をたくさん作ってくれて、息子と一緒にそれを食べることができた。
参加しているみんなもひどいアレルギーの人ばかり。だから、いつもと違って、周囲の人と一緒の食事を何も心配せずに食べれるうれしさは、何とも言えなかった。

おかずはもちろん、ケーキなどのお菓子もあった。特定原材料7品目が入っていないものばかりなのだ。食べるだけでなくレシピなども教えてくれて、大変ありがたかった。

アレルギーのある子を持つ親どうし、いろいろな悩みなどを話したり、みんなで励まし合ったりした。
教室に通うお母さんは、「妊娠中の食生活が悪かったのではないか」と、自分を責める人もいた。
夫婦でアレルギーを学ぶ人も多かったが、夫の両親や、実の親でさえも理解してくれなくて、「神経質すぎる」とか「何で食べられないのか」と言われ、悩んでいる人もいた。

普通の子育てだけでも大変な時期に、家族の理解を得られないのは辛い。そういった辛さを分かち合えるのは、同じ状況にあるこの仲間たちだけだった。

アレルギー教室に通ったことで、近所にはいなかった重症児を持つ仲間と知り合えたし、医師に診療以外で相談にのってもらったり栄養士からもアドバイスをもらったりもできた。辛い日々の中でも、助けてくれたり悩みを相談したりする人ができたのは心強かった。

編集:神代裕子 イラスト:二木ちかこ

profile

篠澤真喜子(しのざわまきこ)

娘(26歳)と息子(23歳)の母。乳児のころから食物アレルギーとアトピー性皮膚炎とぜんそくを患っていた息子を育て上げた経験を持つ。その経験を生かして、エフコープの店舗で年4回開催される「食物アレルギー交流会」などで、アレルギーっ子ママの先輩として、今悩んでいるお母さんたちのサポートなどを行っている。

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