福岡都市圏と筑豊地域のちょうど中間に位置する糟屋郡篠栗町。この一帯には、新四国八十八ケ所霊場として栄えた当時の面影が、今も色濃く残っています。その町の中心部に、エフコープの本部と物流機能を備えた篠栗センターがあります。今回の「ぐるぐるエフコープ」では、歴史息づく篠栗町一帯へと足を運んでみました。
日本三大新四国八十八ケ所霊場のひとつである篠栗町。江戸時代、福岡の僧侶・慈忍(じにん)が四国八十八ヶ所霊場を模した霊場の造営を提案したことが、霊場を開くきっかけだと伝えられています。慈忍が四国八十八ヶ所霊場から持ち帰った砂を仏像の中に納め、村内の八十八ヵ所に祀ったと言われる篠栗町には、一年を通して、各地から多くのお遍路さんが足を運んでいます。
その篠栗四国霊場の総本寺で、高野山真言宗の別格本山でもある「南蔵院」は、巨大な涅槃像があることでも知られています。平成7年に建立されたこの涅槃像は、全長41m、高さ11m、重さ300トンで、ブロンズ製としては世界最大規模!(アメリカにある自由の女神と、ほぼ同じ大きさだとか)。間近で見ると、その大きさに圧倒されてしまいます。とはいえ、お釈迦様が寝そべっている姿はどこかユーモラス。不思議な模様が描かれたお釈迦様の足の裏など、立像では見ることができないお釈迦様の姿に、つい心が和んでしまいます。
この地にお遍路に来た人のほとんどが足を運ぶスポット、それが、篠栗町を見下ろすようにそびえる若杉山です。今から約1,200年前に弘法大師(空海)がこの地を訪れて以来、多くの高僧や修行者が来訪した若杉山。山中のいたるところに篠栗霊場の札所が設けられるなど、古くから信仰を集めている霊峰です。弘法大師が岩を掘った時に出たという湧き水がある「奥の院」、頂上にある「太祖宮」から「奥の院」に至る険しい遍路道の途中にある「はさみ岩」(足一本がやっと通るくらいの隙間しかなく、罪深い人は岩間に足が挟まって通り抜けることができないという言い伝えがある)など、若杉山には、多くの伝承が今も数多く残されています。
若杉山は、登山コースとしても親しまれています。山のふもとから多くの登山ルートが伸びていて、どのルートも所要時間は2時間ほど。標高681mと比較的手軽に登山が楽しめるとあって、お遍路に来た人やハイキングを楽しむ人など、多くの人が登山を楽しんでいます。
その隣にそびえる米の山は、福岡でも数少ない、ハングライダーやパラグライダーが楽しめるフィールドが広がっています。天候がいい日は、稜線に沿ってなだらかに傾斜した芝生のフィールドから色鮮やかなハングライダーやパラグライダーが大空へとテイクオフ。篠栗町の上空を、気持ちよさそうにふわりふわりと飛んでいます。実際にそのフィールドに立ってみたのですが、眼下に広がる一大パノラマは、まさに絶景の一言。福岡市内だけでなく、遠くは糸島半島や海ノ中道までも一望できるその爽快さに、思わず言葉を失ってしまいました。
それもそのはず、ここ米の山は福岡でも屈指の夜景スポットとして大人気。福岡近郊までも一望できる大パノラマは、まるで宝石箱をひっくり返したかのように色とりどりの光で埋めつくされます。息を呑むほどに見事な夜景が車の中からも眺められるとあって、一年を通して、近郊から多くの車が訪れる人気のドライブコースとなっています。
そのほかにも、渓流沿いの美しい景勝地「篠栗耶馬渓」や「五塔の滝」、花の名所として知られる「新吉野公園」など、自然あふれる観光スポットが各所に点在しているところも、篠栗町の魅力です。
このような風光明媚な篠栗町の中心部にある篠栗センターに、エフコープの本部はあります。商品の物流センターとして稼動していたこの場所にエフコープの本部機能を移したのは、2001年8月のこと。今では、支所やお店の後方支援部署のほとんどがここに集中しています。九州の各生協が集まって組織するコープ九州事業連合の本部もあるなど、篠栗センターは、九州の生協の心臓部としてフル稼働しています。
エフコープ独自の精米施設「エフコープ・ライスセンター」も、篠栗センターの敷地内にあります。ここでは、全国の産地から集められたお米を受注量にあわせて精米した後、佐賀県鳥栖市にある「ドライセットセンター」へと発送しています。単独の生協が自前の精米施設を持つことは全国的にも珍しいことですが、そうすることによって、精米したてのお米を届けることができるのです。
2010年3月より、九州の会員生協向けに冷蔵品・農産品をそれぞれの適温で集品・出荷できる「冷蔵セットセンター」「中温度セットセンター」が順次稼動し、生まれ変わる篠栗センター。九州における生協の物流の拠点として、また、エフコープをはじめ九州の生協同士をつなぐパイプ役として、組合員さんの暮らしをしっかりと支えていきます。
福岡県の隅々まで、りんごマークのトラックでぐるぐる走り、組合員の玄関先にまで食卓の安全・安心をお届けしているエフコープ。このコーナーでは、その時期「福岡」を象徴する風景のなかにある「エフコープ」をご紹介していきます。










