今回は、6月雨の季節の風物詩を求めて、北九州市若松区修多羅の高塔山公園を訪ねました。
若松は『麦と兵隊』など兵隊三部作で知られる作家・火野葦平ゆかりの地として知られ、旧宅「河伯洞」母屋をはじめ、街のいたるところにある石碑や資料館、レトロな建物などをめぐれば、火野の小説の舞台となった時代がしのばれます。
洞海湾をまたぐ真っ赤な色彩が印象的な若戸大橋を戸畑区側から渡っていくと、標高124mの高塔山がみえてきます。公園となっている山頂の展望台からは、響灘埋立て地から洞海湾を取り巻く市街地一帯と皿倉山や足立山、遠くは関門橋まで、360度のパノラマが一望できます。巨大な橋、大きな建物やプラントの工場群、海へと伸びた埋め立て地で回る風力発電の風車・・・。この風景はまぎれもなく、「人」が、近代石炭の時代からつづく産業の発展によって作り出し、いまも変化し続けるもの。初夏の日差しを受け、その営みのエネルギーに変えているように見えます。
この高塔山周辺は遠賀郡芦屋町の若松支所配達エリアの、一番端にあたるコース。
りんごマークのトラックは、支所を出て国道199号線を北東へ上りつつ、到着します。
実はこのコース、配達軒数でいえば支所で一番多いコースの約半分。それでも一日かかってしまうのですが、この一帯特有の地形にその理由がありました。「坂の街」というと九州では「長崎」を思い浮かべるのですが、ここ「北九州」においてもひとつの典型的な街並みなのです。住宅が山の斜面に沿って立ち並ぶ風景の写真でも、なんとなくお分かりいただけると思いますが、2次元の住宅地図ではわからない、トラックが入れない細い坂道や階段が所々に存在します。そのため途中でトラックを降りて、保冷箱などを手に持ち、一軒ずつお届けすることが多くなるというわけです。
公園には、約37000株ものあじさいが植えられており、満開時には「あじさい祭り」なども開催され、多くの人で賑わいます。撮影当日は、数日前から晴天続き、取材のタイミングも少し早かったためか、まだ3分咲きくらいでした。写真にはちょっと迫力が足りないかも知れませんが、薄い青、薄紫、ピンク、赤、白、色とりどりのあじさいがハーモニーを奏でるなか、その様子を撮影したり、愛でるお年寄りや(おそらく)遠足の子どもたちが、その美しさに見入っていました。
「雨の日のあじさいはとてもきれいです。ここは桜もいいし、展望台からの夜景もきれいな人気スポットなんですよ」と話す地区担当。でも、雨の日は持って運ぶのが大変では?と問いかけると、カッパも着ず、とにかく素早く運ぶのがコツだと笑って話してくれました。
これからも毎年、あじさいの花は、ここを担当するスタッフにとっては少し辛い梅雨の季節の到来をつげると同時に、ひとときの優しいやすらぎも与えてくれることでしょう。
福岡県の隅々まで、りんごマークのトラックでぐるぐる走り、組合員の玄関先にまで食卓の安全・安心をお届けしているエフコープ。このコーナーでは、月替わりで、その時期「福岡」を象徴する風景のなかにある「エフコープ」をご紹介していきます。




