1999年12月10日作成
広く組合員をはじめ生活者の不安を呼んでいる放射能汚染食品問題について、エフコープ放射能基準委員会より答申が提起され「自主基準」を設定しました。
1986年4月、私たちに放射能の恐ろしさを痛切に感じさせたチェルノブイリ原発事故による放射能汚染は、ヨーロッパだけでなく全世界にひろがりました。
日本の厚生省はチェルノブイリ原発事故後放射能対策として、1kg当たり370ベクレル以上の放射能を含む食品の輸入を禁止しました。しかし、これだけでは「安全」とはいいきれません。
放射能の基準は本来ゼロであるべきなのですが、実際は原発や核実験などの放射能に汚染されている食品もあります。このように放射能ゼロの食品だけを食べて生活していくことができにくい状況の中では、ここまでの放射能しか許せないという目安になる基準が必要です。しかもその基準は厚生省が定めたような全食品一律の基準ではなく、食品の摂取量に応じたものであるべきです。
そこでつくられたのが「エフコープ残留放射能暫定自主基準」であり、この基準は食品の摂取量に応じて放射能の基準が決められています。たとえば、香辛料(塩・こしょう等)などごく少量しか使わないものは、体内に入る量も少ないので、危険は小さく、ややゆるやかな基準(100ベクレル以下)を、逆にお米や野菜など量を多くとるものについては、厳しい基準(6ベクレル以下)を設定しています。また、放射能の影響を受けやすい乳幼児が飲む粉ミルク類には、3ベクレル以下という最も厳しい基準が設けられています。
何度も繰り返しになりますが、人工放射能はまったくない方がいいわけです。しかし、現実問題としてゼロではない状況の中では、最低をどの位にまでするかという制限が、エフコープの基準なのです。
エフコープ残留放射能暫定自主基準に関する補足(1)
2011年5月19日理事会において
- エフコープで定めている「残留放射能暫定自主基準」については、現在の国の暫定規制値についての評価や、今後決定される正式な国の規制値の動向や、その決定に至るプロセスも見ながら、組合員論議を重ねていくこと。そして、放射能や放射線障害に対する認識が深まる中で、見直しの論議に入ること。
- 福島第1原発事故発生下、事故終息の見込みがたたない緊急時において、各一次産品の集荷拠点まで遡り、その行政区域のこれまでの検査状況も十分確認して、企画の是非を決定します。
が承認されました。
1988年のエフコープ放射能基準委員会答申では、「この基準値は暫定的なものであり、新たな放射能汚染が発生したり、測定が進むにつれて基準値を変更すべき状況に立ち至れば新たに検討するものとする。」とあります。今回の福島第1原発事故は、事故終息の見込みがたたない緊急事態と判断し、「残留放射能暫定自主基準」については、放射線や放射能に関する学習を行い、組合員の議論も含め、エフコープ独自の基準が必要かどうかも含めた論議を行いたいと考えます。見直しの検討委員会設置についても合わせて検討しているところです。
エフコープ残留放射能暫定自主基準に関する補足(2)
2012年4月からエフコープ残留放射能暫定自主基準の見直し委員会にて協議を開始しました。
本委員会は、エフコープの理事会内委員会です。下記の2点について協議し、2012年10月理事会に答申をする予定です。
【委員会で協議する内容】
- 食品中の放射性物質について、エフコープ独自の基準が必要か否か。
- 独自の基準が必要な場合は、その基準値について。
【委員会の構成】
《外部委員》
岡本良治さん(九州工業大学名誉教授)
専門分野:原子核物理学/ エフコープ残留放射能暫定自主基準策定時の委員。
甲斐倫明さん(大分県立看護科学大学教授)
専門分野:放射線保健・リスク解析/ ICRP第4専門委員会専門委員。文部科学省放射線審議会委員。内閣府原子力安全委員会専門委員。
松永和紀さん(科学ライター)
消費者団体としてウェブ上で食の情報を提供する「FOOCOM.NET」編集長。元新聞記者。農業問題や食の安全問題、情報の出し方や読み解き方等の著書・講演多数
《内部委員》
江口瑞枝さん(エフコープ組合員理事)
谷口純子さん(エフコープ組合員理事)
■エフコープ残留放射能暫定自主基準(セシウム)
| 食品群 | 基準値(ベクレル/kg) |
|---|---|
| 脱脂粉乳 | 3 |
| 米 | 6 |
| 野菜 | 6 |
| 穀類、種実類、芋類 | 15 |
| 果実類 | 15 |
| 砂糖、菓子類 | 15 |
| 牛乳、乳製品 | 15 |
| 肉、卵類 | 25 |
| 飲料、酒類 | 25 |
| 魚介類 | 40 |
| 豆加工品 | 70 |
| 調味料、香辛料 | 100 |
| 調理食品 | 100 |
| 油脂類 | 100 |
| きのこ類、海藻類 | 100 |
- 調整粉乳は幼児が1日200gの量を1年間連日摂取した場合でも、年間0.01ミリシーベルトの被爆線量に止まるよう設定した。
- 菓子類は子ども(10才標準)が一日最大150gを摂取した場合を想定した。
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