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消費者契約法について

近年、商品・サービスの多様化により消費者の選択の自由が拡大する反面、消費者と事業者との間にある情報・交渉力の格差を背景に、消費者が事業者との間で締結する契約、いわゆる消費者契約に係るトラブルが増加しています。

こうした中、公正で予見可能性の高い新たな民事ルールとして、消費者契約法は2001年4月1日から施行されています。また、消費者団体訴訟制度を導入するための消費者契約法の一部を改正する法律が2006年6月7日から施行され、消費者契約法に規定する不当な勧誘行為と不当な契約条項を含む契約の締結に対して、内閣総理大臣の認定を受けた適格消費者団体が差止請求をすることが可能となりました。

さらに、2008年に法改正を行い、2009年4月1日より景品表示法へ、同年12月1日より特定商取引法へ消費者団体訴訟制度が導入され、消費者被害の未然防止・拡大防止がより一層図られることとなりました。

消費者契約法とは

消費者契約法は、消費者と事業者の情報力・交渉力の格差を前提とし、消費者に自己責任を求めることが適切でない場合のうち、契約締結過程及び契約条項に関して、消費者が契約の全部又は一部の効力を否定することが出来ることにより、消費者の利益擁護を図ることを目的として、2001年4月に施行されました。消費者と事業者の間で結ぶ労働契約を除くすべての契約が対象となります。消費者は次のような場合、事業者の不適切な行為により結んだ契約を取り消すことができます。

■不当な勧誘を受け、消費者が誤認・困惑して契約した場合

事業者の次のような行為により、消費者が誤認・困惑して契約した場合は、その契約を取り消すことが出来ます。

  1. 消費者に事実と異なることを告げた。
  2. 消費者に将来における価額、将来における消費者が受け取るべき金額、その他の将来における変動が不確実な事項について断定的に告げた。
  3. 取引の重要事項、又はそれに関連する事項について当該消費者の利益となる旨を告げ、かつ、当該重要事項について消費者の不利益となる事実(当該告知により当該事実が存在しないと消費者が通常考えるべきものに限る)を故意に告げない。
  4. 消費者の住居又は業務を行っている場所から退去しない。
  5. 消費者を脅迫、 監禁等で帰らせなかった。

■消費者に一方的に不当・不利益な契約条項

以下のように、消費者が一方的に不当・不利益な契約条項については、無効にすることが出来ます。

  1. 事業者の賠償責任を免除する条項の無効
    不履行、不法行為、商品に欠陥があったことにより消費者に損害が生じた場合の損害賠償責任を全部免除する条項や事業者の故意または重大な過失による債務不履行、不法行為の損害賠償責任を一部免除する条項は無効にすることが出来ます。
  2. 消費者の損害賠償額の予定条項の無効
    契約解除の際に、消費者の支払うべき賠償金や違約金が定められる場合があります。解除の理由や時期などに応じて、同種の契約の場合に事業者に生じる平均的な損害額を超える金額を賠償額として予定したり、違約金として定めておく条項は無効にすることが出来ます。また、支払期限に遅れた場合に支払う遅延利息についても、支払期日に支払われるべき金額に14.6%を掛けた金額を超える額を賠償額・違約金と定める条項も無効にすることが出来ます。
  3. 消費者の利益を一方的に害する条項の無効
    民法、商法、その他の任意規定による場合に比べ、消費者の権利を制限し、又は義務を加重する条項は無効。また、信義誠実の原則に反する条項や消費者の利益を一方的に害する条項も無効にすることが出来ます。

事業者・消費者の努力

事業者は契約内容を明確かつ平易なものになるよう配慮するとともに、消費者契約の締結について勧誘するに際し、消費者契約の内容についての必要な情報を提供するよう努めなければならない。また、消費者は事業者から提供された消費者契約の内容について理解するよう努めなければならない事が定められています。

「消費者契約法」全文はこちら

消費者団体訴訟制度とは

「消費者契約法」「景品表示法」「特定商取引法」に規定する不当な表示や勧誘行為と不当な契約条項を含む契約の締結に対して、消費者全体の利益を守るために内閣総理大臣の認定を受けた「適格消費者団体」※が、事業者の不当な行為に対して差し止めを求める権利を認める制度です。

消費者被害が起きてから、その1件1件を個別に救済していくやり方では、被害を未然に防いだり、被害の拡大を防いだりするのに限界があります。消費者団体訴訟制度により、直接の被害者ではない消費者団体が、私たち消費者にかわって、事業者の不当な行為をやめさせるように裁判で請求することができるようになりました。

※「適格消費者団体」について詳しくはこちら

■例えば、こんな消費者トラブル経験はありませんか?

被害事例

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相変わらずこのような消費者被害が続いています。上記のような事例に共通して言えることは「被害回復が困難」ということです。トラブルに巻き込まれてしまった後、消費者個人で裁判を起こすことは、お金も時間もかかりますし、大変なことです。忙しい、1件あたりの被害金額が比較的少額で割に合わない、証拠を集めるのが大変、などの理由から、消費者が自力で救済を得ることは現実的に難しく、泣き寝入りしてしまう人も多いのが現状です。

矢印
イラスト

消費者団体訴訟制度(団体訴権制度)は、上記のような消費者契約に関するトラブルが急増する中、被害の未然防止・拡大防止をはかるために、国に認定された適格消費者団体に差止訴訟(事業者の不当契約条項の使用や不当勧誘行為をやめさせる訴訟)を起こす権利を認める制度で、2007年に導入されました。

これにより、被害拡大の原因になっている事業者の不当行為(不当契約条項の使用や不当勧誘行為)をやめさせることができるようになったため、同一事業者による消費者被害の拡大防止や、市場の公正化に役立つようになりました。


■現在の消費者団体訴訟制度の限界点

しかし、現在の消費者団体訴訟制度は、今後の消費者被害の拡大防止には役立ちますが、すでに被害にあった人の救済に協力することはできません。そのため、適格消費者団体は相談を寄せていただいた消費者を消費生活センターなどに紹介しています。

被害拡大防止という重要な役割を担う団体ですが、個々の消費者の被害を救済し、事業者が不当に得た利益を吐き出させるためには、さらなる制度改善が必要です。そこで現在、被害救済にもつながる「集団的消費者被害救済制度」についての検討が進められています。

■集団的消費者被害救済制度が導入されると

集団的消費者被害救済制度は、現在、(1)集合訴訟制度(2)行政による経済的不利益賦課制度(3)財産保全制度、などのいくつかのパターンが構想されています。

集団的消費者被害救済制度が実現されれば、上記の被害事例は以下の形で被害が回復されやすくなったり、事業者の不当利得を吐き出させることができるようになると考えられます。

イラスト

個人で訴訟を起こすことは現実的には難しいですが、集団的消費者被害救済制度が実現されれば、上記のような形で被害が回復される可能性が高くなります。また、ひとりひとりの被害額が少額で救済が得られない場合でも、事業者に不当利益を吐き出させることにより、市場の公正化が進むと考えられます。


※適格消費者団体とは

適格消費者団体とは、消費者全体の利益擁護のために差止請求権を適切に行使することができる適格性を備えた消費者団体として、内閣総理大臣の認定を受けたものです。(消費者契約法第2条第4項)

認定を受けるためには、以下のような適格要件を満たしている必要があります。 また、認定後は、内閣総理大臣による監督を受け、所定の情報公開措置が求められます。

  1. 特定非営利活動法人又は民法34条に規定する法人であること
  2. 不特定多数の消費者の利益擁護のための活動を主たる目的とし、その活動を相当期間継続して適正に行っている実績があること
  3. 体制及び業務規程が適切に整備されていること
  4. 消費生活の専門家及び法律の専門家が共に確保されていること
  5. 経理的基礎を有すること  等

福岡県における適格消費者団体

福岡県では適格消費者団体に認められた団体はありません(2011年1月現在)。現在、NPO法人「消費者支援機構福岡」が適格消費者団体の認定を受けるための準備を進められています。このNPO法人消費者支援機構福岡にはエフコープも団体正会員として登録をしています。

NPO法人消費者支援機構福岡ホームページはこちら



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